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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

たまには寝過ごしたい

何事もない朝、そんな中フィルスは珍しく1時間以上寝坊しして目覚めた。
既にアルガティアとイファルシアは起きていて部屋にはおらず、フィルスだけがぼつりと残されていた。

「参ったな、これ」

無論、朝食はいつもの時間でなければ食べることはできないので昼食まで待たなければならない。
それを思い出して参ったなと言いながらフィルスは、とりあえず起き上がって首輪をつけて部屋を出た。

「うーん」

城の庭園へ出たフィルスは、特に何をするわけでもなくたまたま視界に入ったエゼラルドの方へ近寄る。
エゼラルドは近寄って来たフィルスを見て、ずいぶんと遅い起床だねと言う。

「いつも起こすはずのイファルシアが起こさなかったからな」

起きれなかったのをイファルシアのせいにして、フィルスはエゼラルドが改めて何をしているのかを見る。
ちなみにエゼラルドが何をしていたのかというと、イチゴの収穫をしていた。

「ああ、イチゴの収穫なのか」

「うん、そろそろ収穫しないといけないからね」

フィルスはそれに対してそうかと言って、アルガティアが居ると思われる書斎の方へ行く。
書斎では、アルガティアがいつものように国務をしていて、その頭の上でイファルシアがくつろいでいる。
そんなところに乗っかってて大丈夫なのかと思われがちだが、アルガティアがそんなに動かないので何ら問題はない。

「あえて起こさなかったけど、起きれたのね」

「わざとかよ」

イファルシアがからかうようにわざと起こさなかったのよと言ったので、フィルスはわざとかよと返す。
昔ならここでイファルシアから蔦でしばかれるのだが、今はそんなことはない。
なぜしばかれなくなったのかというと、アルガティアがイファルシアに苦言を言ったからである。
ちなみに何と言ったのかというと

「仮にも兄妹でしょうに、いじめるのはやめなさい」

の一言だったとか。
それ以来、イファルシアがフィルスをいじめることは一切なくなった。

「あらおはよう」

「うんおはよう」

ここでようやく気付いたアルガティアにおはようと言われ、フィルスは同じようにおはようと返す。
アルガティアはその後、フィルスにこっちへおいでと手招する。
何?とフィルスがアルガティアの方へ近づくと、アルガティアは従者が持ってきたクッキーを渡してきた。
起きてから何も口にしていなかったフィルスは、アルガティアにありがとうと言って受け取り、その場で頬張る。

「ふう、これで昼まで大丈夫」

フィルスはそのまま書斎を出、また部屋へと戻って来た。
何をするのかというと、ここ最近ずっとやっている翻訳作業の続行。

「たまになら寝過ごしてもいいかな」

翻訳作業を再開しながら、フィルスはそんな事を呟いた。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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