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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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やり返しは愚の極みか?

今日のリフィル城は、何かと騒がしかった。
なぜならば、新たに温室と書斎がそれぞれ増築及び新築されていたからである。
ではこの書斎と温室が一体誰のためなのかというと、無論フィルスとイファルシアのため。
だが、温室に関してはエゼラルドも使ったりするのでそうでもないが。

「なんでまた増築を?」

エゼラルドの背で、フィルスを見ながらイレーヌはアルガティアに聞く。
だが、アルガティアは何も言わずに新築される様子を見ているだけ。
それが10分ほど続いた後、イレーヌはアルガティアからこんな返答をもらう。

「気まぐれ」

それを聞いたイレーヌは、やっぱりねと言う顔をしてイファルシアを連れて庭園の外れにある畑へ行ってしまった。
その場に残されたフィルスとアルガティアは、温室の新築の模様を見飽きたのか国務の方へと戻る。
魔法を使って新築が行われていたので、両方の作業はその日のうちに終わった。

「ちょっと余裕がありすぎるかな」

「これだけあれば問題はないでしょ?」

「まあね」

増築された自分用の書斎を見て、広すぎやしないかと言うフィルスにアルガティアは問題はないでしょと聞く。
フィルスはそれに対してまあねと答え、アルガティアの部屋に置いていた自分の本を新たに増築された書斎へ移動し始める。
移動自体は2時間ほどで終わり、フィルスは新たに出来上がった書斎で昼間にすっぽかしていた計算の続きを続行。

「いや待てよ、ここは複素数使うべきか?」

などと言いながら計算をしていると背後に何者かの気配を感じて振り向くと、そこにはイファルシアが腕組みをしてふわふわと浮遊していた。
フィルスがなんだよと言う顔で見ていると、イファルシアは急にフィルスに近づいたかと思えば拳骨を食らわせて

「夕食だってさっきから言ってるのに、あんた無視してたじゃない。人の話は聞きなさいよ」

とむすっとした顔で言いながら書斎を出て行った。
フィルスもまた機嫌を悪くしながら書斎を出るが、しばらく大広間へ行くのを躊躇してから向かう。
その後何事もなく夕食を済ませたフィルスだったが、いまだにイファルシアにカチンと来たのが収まっておらず、やり返してやろうかと思い始めていた。
だが、そんなフィルスの脳裏にシアのある一言が呼び起される。

「『やられたらやり返せ』なんて愚の極みよ、それによってまた怒りなどの負の念が溜まって同じことを繰り返して堂々巡りになるのよ」

確かにその通りではあった。
争いは同レベル同士でしか発生しないとも言われているだけあって、やられたらやり返すと言うのは結局は無限ループなのだ。
それを思い出したフィルスは、途端にやり返すのが馬鹿馬鹿しくなってやめたものの、どこかしら引っかかるものがあった。

「しかしやられっぱなしというのもなあ」

やられたらやり返すのが愚の極みならば、やり返さずに堪えていればいいのかと思うフィルス。
しかし、それは結局相手が飽きるか馬鹿馬鹿しくなってやめるかを待つと言う完全なる相手任せ。
結果的にやり返した方がさっさと決着も付くのではと、フィルスは改めて思ったがそれも何かが引っかかった。

「難しいな」

そして何を思ったのか、フィルスはそのままエゼラルドの寝床の方へと向かう。
ちなみにエゼラルドはまだ起きていて、寝床の掃除をしていたがフィルスを見てどうしたんだいと言う顔をする。

「いや、なんとなく話したいな思ってさ」

「掃除終わるまで待ってくれないかい?」

「構わないよ」

掃除が終わるまで待っててくれと言われ、フィルスは頷いてそれから10分ほどエゼラルドが掃除を終えるまで待っていた。

「さて、その顔だと何か意見を聞きたいみたいな顔をしているけどどうしたんだい?」

エゼラルドに何がしたいのかを見抜かれ、フィルスはこう聞く。

「お前的には作物の害虫なんかの駆除をどう思ってるのかと思ってな、前にやられたらやり返すのは愚の極みだと言われてさ」

それに対して、エゼラルドは少々笑いながらも

「フィルスの言うやられたらやり返すってのと、作物の害虫の駆除や病気への対応という意でのやられたらやり返すは全く違うものだと思うけど違うかい?」

と至極まともな返事を返す。
確かに言われてみれば、フィルスの言うやられたらやり返すと、作物の害虫の駆除や部応期への対応は紐解いて行けば意は同じかも知れない。
だが、次元や定義はよくよく調べれば似て非なるものである。
フィルスの言うやられたらやり返すはどちらかと言えば復讐に近く、エゼラルドの作物の害虫駆除や病気への対応という意でのやられたらやり返すは防衛に近い。

「確かにそうかもしれないけど、害虫駆除の観点だけで見ればどうかな?」

フィルスはここで、話を害虫駆除だけに絞って話すことにした。
エゼラルドは少し考えた後に

「結局は害虫側と僕側とでの価値観を含めたいろんなものの違いなんじゃないかな?難しくなるからこれ以上は言わないけど」

両者でのいろんなものの違いがあるし、難しくなるからこれ以上は話さないと言った。
フィルスはそれに対し、少々納得がいかないような顔をしつつもまあそうだわなと割り切る。

「おっと、風呂入りにいかないと。じゃあなお休み」

「うん、お休み」

ここでフィルスは風呂に入ると言って、エゼラルドにお休みと言って城の方へと戻って行った。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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