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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

辻とシア

普段は見つけてもすぐ塞いでしまう、まったくもってブラックボックスな世界への扉。
今日はそんなブラックボックスな世界への扉をくぐってみたシア。
その先には、当たり前かもしれないが見慣れない者達と見慣れない部屋。

「…こんばんは?」

一応何を言っているのかは分かるので、とりあえず挨拶をするシア。
その者達からは挨拶は普通に帰って来た。

「んー」

その後は、何をするわけでもなくただ最初からこの部屋に居た者達を眺めるシア。
こちらも相手も、特に危害を加えるつもりはないのでリラックスしてはいるものの、心の奥底では何かが落ち着かない。
そもそも、竜というのが珍しいのかは分からないがやたらとここの者達はシアに興味を持っていた。
そのためか、やたらと触って来る者が多かったがシアはさせたいようにさせる。
それからしばらくして

「最初は少し気まずかったけど、今はそうでもないわ」

などと思いながら、体を触らせていると1人の少女が

「アタシもさわっていい?」

となぜか震えながら聞いてきた。
シアはどうしたのかしらと思いながら、その少女を引き寄せて

「どうぞ」

と一言だけ答える。
ちなみに、シアはこの少女の名はすでに聞いていたので辻だとすぐに分かった。

「すっげぇいい触り心地…!」

「手入れは欠かしていないからね」

シアに引き寄せられ、触ってもいいと許可を得た辻がシアに触れた時の第一声はそれだった。
それに対し、シアは手入れは欠かしていないからだと返す。
なぜ辻がこのような反応を示したかというと、今までシアのような毛の質感を持つ動物と触れ合ってこなかったのは確かだろう。
そしてあまりの興奮っぷりに、怪我しないようにねとシアは目で言うが辻が聞き入れる様子は全くなさそうだ。

「流石だ!これからも手入れは欠かさないでくれ!」

手入れを欠かしていないからだと言う返事に対する返事だろうか、辻はそんなことを言いながらなおもシアをもふもふしている。
ここまで一方的にもふられることはシア自身あまりないので、少し辻に意地悪をしたい気が湧いてきた。
そこでシアは、そっと前足を辻の背に回してもふもふに夢中になっていて背に回された前足に気付いていないことを確認し

「そんなにもふもふ好き?じゃあこうしてあげる」

不意打ちでもないが不意打ちに見せかけてむぎゅっと抱きしめ、辻を毛の中へ押し込んだ。

「むぶぶっ」

毛の中へ押し込まれても、特に抵抗する素振りを見せない辻。
無論、こんなことをすれば下手すれば窒息間違いなしなのだが、シアの枠な計らいでそれはしないようになっている。

「すげえ、今ならアタシ天に召せられるぜ…!」

「それはちょっとまずいわね」

などと言いながらも、シアは辻をそのまま毛の中に埋めたままで気付けば自世界へ帰って来ていたと言う。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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