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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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5人でババ抜き

「こうかしら?」

「では儂はこうだ」

万年桜の下、花びらの絨毯に座ってシアとムサヅキはなぜかオセロをしていた。
無論、2人の体に合わせてあるのでセット自体がとても大きい。

「ここはこうして…と、私の勝ち」

「ぬぅ」

シアの最後の一手が決まり、結果的にシアの勝ちとなった。
ちなみに、現在シアが5連勝中である。

「もう一度やろう」

「えー?もう飽きたわ」

5連敗しているにもかかわらず、まだやろうと言ってきたムサヅキにシアは飽きたと言って拒否。
するとムサヅキは今度はトランプを出して

「ではババ抜きを」

ババ抜きをやろうと言い出した。
だがシアは渋い顔をしながら

「2人でやってもつまんないでしょうよ、長ったらしいだけで」

2人だと長ったらしいと言ってやろうとしない。
それに対してムサヅキはこう言った。

「じゃああと2人か3人ほど呼べばよかろう」

あと2、3人呼べばいいと言われてシアは少し困った顔をしたが、心当たりがあったので召喚魔法を使う。
すると、そこへアルガティアとレナに、ナイフを持って何かを削っているゴルダが現れた。

「お前は指を詰めさせる気か?」

ナイフをどこかへ片付けながら、ゴルダは渋い顔でシアを見る。
だがシアはそんなことはお構いなしの様子。

「わわっ…!」

一方のレナはムサヅキを見てびっくりしたのか、耳と尻尾を光らせながら飛び上がった。
アルガティアは相変わらずの動じなさと言うよりはマイペースっぷりを発揮し、飲んでいた紅茶を飲み終えるとカップをどこかへ消して何か用?という顔をする。

「その小さき者は?」

「紹介してなかったわね、一応アルガティアの知り合いのレナよ」

レナの方を向いて、誰かと聞いたムサヅキにシアはレナがアルガティアの知り合いであることを伝えた。
それを横で聞いていたゴルダは、レナの方に向き直って両手を目の前で合わせてお辞儀をする。

「始めまして、か?アルガティアの知り合いだそうだな?俺はゴルダ。よろしく」

「あはは、礼節あるんだね…よろしく」

ゴルダの挨拶の仕方に少々戸惑いながらも、レナは挨拶を返す。
ムサヅキは自分にはしないのかと少しがっかりしたような様子だったが、それ以上は何も言わずにシアに

「5人か、丁度いい。始めようではないか」

早くトランプをよこせと、前足で手招きするムサヅキを見てシアは

「じゃ、ババ抜き始めましょか」

と他の3人へトランプを渡す。
全員にトランプが行き渡ったところで、全員お互いの顔を見合わせる。
レナ以外は大して表情は変えていないというよりは、まったくもって無表情を保っていた。

「誰を基準に?」

アルガティアが誰を基準に回るかと聞いてきたので、シアは

「ゴルダからでいいんじゃない?」

とぶっきらぼうに言う。
ゴルダは俺かよという顔をしたが

「俺から右回りだ、異論はないな?」

自分から右回りで問題ないかどうかを聞いたが、全員異論はない様子だったので始めることにした。
ちなみに順番は、ゴルダから右回りにレナ・アルガティア・ムサヅキ・シアである。
初めにゴルダはレナのカードを一枚取った。
取ったのはジョーカーでもなければ、ペアになるものでもなかった。
次にレナが、アルガティアの手札から1枚取る。

「あっ、これ捨てられるなあ」

レナが取ったカードは、ペアで捨てられるのがあったのでそれを捨てる。
次にアルガティアがムサヅキの手札から1枚取った。
相変わらず無言かつ無表情で何を考えているのか分からない雰囲気を出しているが、これがアルガティアなのだ。

「儂の番か」

あまりにも無言の空気が張りつめているので、それを崩そうとムサヅキは一言呟いてシアの手札から一枚取る。
と、ここでムサヅキの手にジョーカーが渡ってしまったがムサヅキは若干ニヤリとしただけですぐに何事もなかったかのようになった。

「うふふ」

「何考えてるか分からんが、抱きつくなよ?」

そして、シアがゴルダから1枚取ってようやく1週目が終わるのだが、シアが不敵に笑ったのでゴルダは抱きつくなよと釘を刺す。
アルガティアとムサヅキは知っているのだが、レナはシアとゴルダがどういう関係なのか分からないので思わず

「あの…抱きつくなよってどういう意味なのかな?」

ゴルダに抱きつくなとはどういう意味なのかと聞いてみた。
するとゴルダは何処からかライターと煙草に似た何かを取り出してそれに火を付けて吸いながら

「シアはな、信用しているあるいはされている相手にもふっと抱きつく癖が最近出て来たんだよ。それもあるし抱きつかれた時に手札見られるからそう言った」

なぜそのようなことを言ったかの理由として、シアが信用しているかされている相手に抱きつく癖があること。
そして、その際に手札を見られるかもしれないからだと答えた。

「あはは…なるほどね」

理由を聞いたレナは、苦笑いしながら納得する。
一応この間花見をした時も、レナは抱きつかれこそはしなかったがシアに触られたことがある。

そしてこの後、2周ほどしてアルガティアが1番目に、レナが2番目に抜けて、残るはシアとゴルダとムサヅキだけだ。
だが、3週目に入った途端にムサヅキが3番目に抜けてゴルダとシアの1体1の勝負となってしまった。
お互いに残る手札は2枚ずつ、次の一手で勝敗が確定してしまう。
そして、ゴルダが先手を打ってシアの手札から1枚取る。

「上がり、4抜け」

勝負はゴルダがジョーカーではない方を取ったことで決まった。

「あら、負けちゃったわ」

いつの間にかアルガティアが淹れていた紅茶を一緒に飲んでいたレナは、終わったんだと言う顔で2人を見る。
そんな見ているレナの横へ、ゴルダはやって来てアルガティアから紅茶をもらう。

「もう少し濃い目がよかったな」

「緑茶でも飲めばいいのに」

「冗談に決まってるだろ」

さりげなく淹れ加減にケチをつけたゴルダに、アルガティアは緑茶でも飲めばいいのにと刺さるようなことを言う。
だがゴルダはそれを受け流して冗談だと返す。
レナはそれを見て、この2人ってどんな関係なのかなと思い始めた。

「俺とアルガティアはいとこの関係だ、シアは曾祖母、曾婆さんだ」

それを察したのかは分からないが、急にゴルダはレナに自分とアルガティアの関係とシアとの関係を話す。
アルガティアとゴルダがいとこの関係であることと、ゴルダとシアが曾祖母の関係であることに少し驚いたレナは

「すごいね、それでシアさんとは曾祖母の関係かあ…」

どこかすこし寂しげな表情になる。
それを見たシアは、レナにこう聞く

「もしかして両親はもう居ないの?」

「ああは…もう居ないけど今が楽しいならそれでいいや」

もう両親はいないのかと聞かれて、レナはそうだと答えて今が楽しいならいいやと無理やり割り切ったようなことを言う。
気付けば、ムサヅキはすでに帰ったのか居なくなっており、アルガティアは何事もなかったかのように紅茶を飲み、ゴルダはまた煙草のようなものを吸っている。

「もふっ」

「ぶふっ」

「わわ…っ!」

いきなりレナに抱きついたかと思えば、ついでにゴルダも巻き添えを食らって抱きつかれた。
またレナはびっくりして耳を光らせ、ゴルダは何してくれんじゃという表情をする。

「すごいもふもふ…」

「ウゥーム」

その後、1時間近くレナとゴルダはもふられていたとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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