氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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ゴルダと輝星と昏黒

「昏黒こっちだよ、早く早く」

夏もまだ日の高いうちから昏黒を連れてセイグリッドへやってきた輝星。
だが昏黒の方は夏の日差しの強さを物ともしてない様子で輝星に淡々とついていく。

今日セイグリッドへとやってきたのは以前シアに

「自分に足りないものの探し方にはコツがある」

といったようなことを言われたのを思い出し、
それを聞きに来たのである。

「あれー?シア様どころかメルムーア様もいないや」

城の中を歩き回るも、シアどころかメルムーアの姿も見えず。
居ないねと言いながら輝星が昏黒と城の中を歩いていると、
イファルシアに似た体型に濃い紫毛で額にアメジスト。
満月のような黄色い目のカーバンクルが体から冷気をほんのり出しながら歩いているのを発見。

「昏黒、あのカーバンク知ってる?見たことないけど」

誰だろうと輝星が昏黒に聞くも首を横に振られて分からないという意思表示をされてしまう。
だが、いま2人の目の前に居るカーバンクルは姿こそはかわいいのだが無表情だ。
無表情というと、輝星は昏黒の他にもう1人を思い浮かべた。
それはアルカトラスの孫である

「もしかしてとは思うけど、ゴルダさん?」

ゴルダ、輝星が頭に浮かんだ無表情のもう1人の名がそれだった。
濃い紫毛のカーバンクルは輝星と昏黒をまじまじと眺めてから

「よく俺だと分かったな、ご無沙汰といったところか?」

自分がゴルダであることを認めたうえで久々かと聞く。
輝星はその問いに対して

「久しぶりだね。ところでゴルダさんってアルカトラス様以外にも変身できるの?」

久々に会ったことを肯定しつつアルカトラス以外にも変身できるのかと聞く。
ゴルダはそれにこの姿が何よりの証明だろと言いたげな目線を輝星へ投げる。
なお、昏黒はカーバンクルの姿のゴルダを見て

「輝星が好きそうだ。無表情なのを除けば」

と思うのだった。

その後2人はなおも冷気を出し続けるゴルダに連れられて応接室へ。
ゴルダの話によるとシアとメルムーアはどちらも今日は仕事があって忙しいのだという。
だが、メルムーアは大学で講義をしているので昼過ぎには戻ってくるだろうとのこと。

「ゴルダさん、触ってもいい?」

応接室で互いにソファに無言で座っていると唐突に輝星から触っていいかと聞かれるゴルダ。
輝星がもふもふ好きなのはシアやアルカトラスから聞いているので知ってはいたものの、
実際に触っていいかと聞かれるといかんともしがたい。

だが、断れば輝星ががっかりして信用を無くしそうなので
触るなとは言わずに

「フィルスやイファルシアのように額は触るな。いいな?」

額に触らないようにという条件を課してもふもふを許可。
許可されるや輝星はわーいとゴルダを手始めにハグ。
いきなりのハグにゴルダは渋い顔をしたが輝星から漂う甘い匂いを感じてすぐ無表情に戻る。

「やっぱりフィルス君やイファルシアちゃんみたいにかわいさが物足りないなぁ」

子供ゆえの純粋な意見にもゴルダは強いことはあえて言わずに

「もふもふさえあれば、かわいさがそこまでなくても大丈夫。お前はそうじゃないのか輝星?」

と静かに返す。
それを横で聞いていた昏黒は同意するかのように頷いていた。
基本的に喋らないことが多い昏黒だが、
こういったジェスチャーなどで意思表示はしてくれるので意思疎通が全くできないわけではない。

「もふもふもいいけど、やっぱりかわいさも必要だと僕は思うんだ。ゴルダさんはどう思う?」

深く考えれば哲学の域に達しそうな問いにゴルダは軽くこう返す。

「もふもふイコールかわいいではない、かっこよさや美しさもまたもふもふを惹きたてる。俺の考えはそれだけだ」

輝星はその返しを聞いて少し考えるような仕草をしてから、
ゴルダの耳のあたりを触りながらこんなことを言う。

「惹きたて方って色々なんだね。昏黒も言ってたよ、物事を一方向からだけ見ちゃいけないって」

「王子になるということは将来竜王となる。つまり国を治める存在になるということだ。そうなれば物事を一点集中で見ても仕方がない」

昏黒から物事を一方向からのみ見てはいけない。
多方向から見る必要があると言われたと話され、
ゴルダは将来国を治めることになる以上、
物事を一点からしか見れないようでは国はまとめきれないと返しつつ輝星に触られた耳を動かした。

「そこに居たのね、やっと講義終わったわ」

スッと応接室に入ってきたメルムーアに、昏黒は軽く頭を下げて挨拶。
輝星はゴルダをもふもふしていたのですぐには気づかなかったが昏黒が頭を下げているのに気付き

「あっ、メルムーア様」

「いらっしゃい」

遅れて挨拶。
なおゴルダは輝星の方をずっと見ていたので気配だけを感じて

「来るとは思っていた」

と呟き輝星を撫でた。
なおその後はメルムーアが輝星にゴルダには関係のないことを話しっぱなしだったとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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