氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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瑠璃夢と七夕と短冊

今年も笹の葉に願いを書いた紙を下げる季節が近づいて来た。
今年は早くからセイグリッドでは七夕の時期が訪れており、シアの塔やセイグリッド城の庭園や入り口には短冊の下げられた笹の葉が数多く飾られている。

「この世界でも七夕はあるのじゃな」

「まあな」

そんな七夕シーズン真っ最中のセイグリッドに、ゴルダは瑠璃夢とフウとユウ、マティルーネを連れてセイグリッドへとやって来ていた。
もっとも、シアから短冊を書きに来なさいと呼び出されたからやって来たのだが。

「来月でもよかったんじゃないですかね」

「シアにわざわざ呼ばれたんだ。行かないと後々面倒なことになる」

来月でもよかったのでは?と言うユウにゴルダは、シアに呼ばれたのでは行かないとめんどくさいことになると返す。

「なんじゃ、お主はそのシアとやらに逆らえんのか?」

その一連の会話を聞いていた瑠璃夢に、お前はシアに逆らえないのか?と聞かれてゴルダは

「逆らえば後々面倒事を招く」

後々面倒なことになると瑠璃夢に改めて説明する。
それを聞いた瑠璃夢は鎌の柄でゴルダを小突ながら

「お主でも歯向かえん相手が居るとはな、これは興味深いの。私もそのシアというものに会ってみたいの」

自分もシアに会ってみたい言った上で、ゴルダの右に並んで歩いていたフウをわしゃわしゃと撫でる。
フウはすっかり瑠璃夢に撫でられることに慣れたらしく、嫌がる様子もなく撫でられていた。
なお、瑠璃夢はフウだけでなくユウにも同じことをするが、あまりいい反応をされないので自重しているようである。

「いらっしゃい、瑠璃夢もね」

「何故私の名を知っておるのだ?会ったことも名乗った覚えも全くないのじゃが」

いつも通り応接室へ行くと、シアがアイスを食べながら待っていた。
もちろん、瑠璃夢の名を呼んで。
瑠璃夢は、シアが自分の名を把握していたことに対して会ったこともないのに何故名を知っていると突っ込む。

これにゴルダが自分の口から説明しようとしたが、シアの赤い目が私から説明するから余計なことは言わないでと咎めて来たのでゴルダは特に何も言わずにフウとユウに座るよう促し、自分はシアの隣へ瑠璃夢と座る。
瑠璃夢は今にも鎌を出してシアに切りかかりそうだったが、ゴルダとマティルーネが目線で

「お前が勝てる相手ではない」

と説得して鎌を出させないようにした。
だが、瑠璃夢もそこまで愚か者ではなく、シアのゴルダ以上に感じる只者ではない雰囲気に押されて

「シアと言ったかお主は?その…触っても良いかの?」

鎌を出そうとすることすら止め、触ってもいいかとシアに聞く。
さすがにシアのもふもふには瑠璃夢とて勝てなかったようだ。
だがシアは、それに対して

「まだだめ。ほら、これ書いて。書いてもらうために呼んだんだから」

まだ駄目だと言った上で全員に短冊を渡す。
そう、シアがゴルダ達を呼び出したのはこれを書かせるためである。

「シア、書くものがないのにどう書けと言うのじゃ?」

渡された短冊をひらひらさせながら書くものをよこせという瑠璃夢に、シアは

「その短冊を額に当てて念じなさい。これは思ったことが勝手に書き込まれる短冊なのよ」

念じると書き込まれるタイプの短冊であることを説明する。
瑠璃夢はその説明に、嘘だったら有無を言わせずもふもふするぞという目線を投げつつ、フウやユウにゴルダがやっているように額に短冊を当てて念じ始めた。

それから数十秒して、瑠璃夢が額に当てていた短冊にいつの間にか文字が刻まれていた。

「一発で成功するなんて珍しいわね。フウなんか最初は暗号みたいな支離滅裂な文になってたのに」

「ふふふ、フウならありえる話じゃの」

「むーっ」

フウに同じことを初めてやらせた時は失敗したという話を持ち出したシアに、瑠璃夢がフウならばありうる言ったところ、フウが多少機嫌を悪くする。

なお、瑠璃夢の短冊に刻まれた願いは何かというと

「もっといろんなもふもふに触れたい」

というものだった。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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