氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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メリエルと人の姿のシア

まだ初夏の入り始めだというのに不快指数高めの暑さの中、メリエルは日傘もなしに城下町を歩いていた。
最初はゴルダの家へ行ったのだが、ミリシェンスにセイグリッドに行っていると聞かされて急遽やってきたのだが、この暑さである。

「腹が立つ暑さだわ」

などと言いながら城を目指して歩いていると、正面から日傘を差したゴルダが歩いてくるのが見えた。
だが、メリエルはすぐにとてつもない違和感に襲われる。
その理由は二つあった。
第一に、ゴルダは日傘を差すような性格でも雰囲気でもない。
第二に、日傘の中にゴルダ以外のもう一人居る。

「日傘で相合傘なんてどうかしてるんじゃないの?」

などと思いながら、その場で向こうからゴルダが来るのを待つメリエル。

「何してんだお前」

こちら側へとやって来たゴルダに何をしてるんだと聞かれ、メリエルはゴルダの隣に居た膝までつく白髪赤目の青がかった白いローブ姿の女性を指して

「誰よこいつ!?あんたそういうのに一切興味なかったんじゃないの!?」

そいつは誰よと言うついでに、やっぱりあんたはそういうのに興味があったのと突っ込む。
それを聞いたゴルダは、はて?と呟き、その頭上のマティルーネはまた始まったと言いたげな目線を投げかける。
一方、ゴルダの隣に居た女性はいきなり剣を抜いてメリエルに切りかかる体勢になった。

「ちょ…何よ?やる気?」

相手が本気なのかどうかが汲み取れないため、自衛のために身構えたメリエルだが、ゴルダに

「よせメリエル、シアもだ」

よせと言われてメリエルは構えを解くが、ゴルダの口から出た聞き覚えのある名前を聞いて

「えっ、その女がシア?そんなまさか」

ぽかんとした顔になる。
一方、シアと呼ばれた青がかった白いローブ姿の女性は剣を戻してメリエルに近寄ると

「実は私人化能力持ちなのよ」

と言って、その場で元の聖竜の姿へと戻る。
いつも見慣れたシアが目の前に現れたことで、メリエルはほっとした反面今目の前起こった出来事を処理するのに多少の時間を要した。

それから数十分後。
メリエルはゴルダマティルーネと人の姿のシアと城の応接室でティータイムをしていた。

「変身魔法や能力も、適性があるのよ」

「そりゃそうでしょうよ、魔法の属性にも個々で相性の合う合わないがあるんだし」

今話している話題は、変身魔法と能力の適性に関して。
メリエル自身はシア話では変身魔法への適性は高いとのことだが、メリエルは自分は自分であってこそという考えらしく、変身魔法には興味がないらしい。
なお、シアはマティルーネの変身に関する適性は皆無だと断言した。

「そういえばあんたも変身できるの?」

メリエルに羊羹をつまみながら聞かれ、ゴルダは一応できるが滅多にはしないと返す。
ゴルダのその返事にメリエルはなーんだと不満げな態度を示しながらシアの方を見る。
身長はあからさまにあっちの方が高いが、そんなことはどうでもいいというのが本音。
長すぎて邪魔になるんじゃないかと思うほどの膝までつく白髪は、メリエルの髪よりしっとりしていて手入れが十二分に行き届いていると断定できる。

「あんた、人間の姿でも魔力が桁違いよ。今この瞬間も、たまに突き刺さるようなものすごい強さの魔力を感じるから」

メリエルの指摘に、シアは制御が上手くいってないのかしらと呟きながら髪をしばらく指でいじり

「今はどう?」

数分経ってからメリエルにそう問う。
どうやら放出魔力の制御の調整をしたらしい。

「うーん、さっきよりはいいわね。刺さるような感じはもうしないわ」

「そう」

そんな会話をしていると、ゴルダが急に

「シアもメリエルと同じ髪型にして並んだら様になりそうだな」

同じ髪型にして二人で並べば様になりそうだと呟いた。
それを聞いたシアは、そうかしら?と疑問を浮かべながらも自分で髪をメリエルと同じようにして

「ちょっと立ってみて」

メリエルを半ば無理やり立たせて並ぶ。

「ふぅむ…」

「何よ?」

自分とシアを交互に見るゴルダに、メリエルは何よと聞く。
だがゴルダは何も答えず、ただただ交互に見るだけ。
このままゴルダは沈黙を続けるつもりかとメリエルが思っていると、マティルーネが突然

「やっぱり格差はあるのね」

と意味深なことを呟いたのに対して、メリエルが

「それどういう意味よ!?」

と突っ込んだとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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