氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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レナとミリシェンス

春から初夏へ移り変わる匂いが香り始めたある日のこと、レナはゴルダの家へやって来た。
ほぼ2年ぶりの訪問で、今ゴルダが何をしているのかすら分からない状態だが、レナには相変わらずだということが何と無く分かっていたのだ。

「おじゃまします」

玄関のドアを開け、挨拶をして家の中へ入るレナ。
家の中は2年前に来た時と変わっておらず、掃除が行き届いた綺麗な室内がそこにある。

「誰かしら?上がって待ってて」

「えっ?誰?」

変わらないなとレナがその場で室内を見回していると、突如聞きなれない声がした。
それにレナが誰なのとあたふたしていると、台所の方から青紫の毛に前掛けエプロンをしたカーバンクルが現れる。
イファルシアやフィルスといったカーバンクルとは会ったことがあるレナだが、このカーバンクルは初めて見る。

「レナ、だったかしら?ゴルダの友達だという話は聞いているわ。私はミリシェンスよ、よろしく」

青紫の毛のカーバンクルは、レナの姿を見てゴルダの友達ねと言って自らの名をミリシェンスと名乗る。

「あはは…よろしくミリシェンスさん。私はレナ、ゴルダさんから話を聞いているなら話さなくていいかな」

それに対してレナも名乗り返し、自分のことはゴルダから話を聞いてるならばと判断し、自分から多くを語ろうとはしなかった。
やがてミリシェンスはまた台所へ戻り、レナに飲み物を出す。

「ゴルダはちょっと用事で出ているわ。あなたが来る20分くらい前に出たからあまりあと数十分くらいでは帰ると思う」

自分も居間のソファに座り、やっと一息つけたと言わんばかりにくつろぎながらゴルダは今出ていると言うミリシェンスに、レナは笑ってその場を流す。

「ミリシェンスさんって、いつぐらいからここでゴルダさんと住むようになったんですか?」

すっかりくつろぎモードのミリシェンスに、レナはふと感じた疑問を投げかける。
ミリシェンスは2年ほど前に遊びに来た時は居なかった。
つまり、ミリシェンスが来たのはレナが来なくなってから昨日までの間。
その空白の期間に住むようになったのは間違いない。
それをふまえてレナはミリシェンスに問いかけたのだ。

「そうね、私が来たのは去年の夏ぐらいかしら。もうすぐ1年になるわね」

ミリシェンスはその問いに不思議そうな顔をして去年の夏ぐらいからであることを話す。
レナはそれを聞いて

「結構経つんですね」

と少し驚いたような反応を返した。

その後、レナはミリシェンスとポツポツと会話を交わし、ミリシェンスがゴルダが居ない時の家事をしていることと、ミリシェンス以外にマティルーネという竜も住み始めていることを教えてくれた。

「ただいま」

ミリシェンスと話を始めて30分ほどが経過しただろうか。
聞き覚えのある声と共に玄関のドアが開く音が聞こえたので、レナがその方へ振り返るとそこにはゴルダの姿があった。
頭に紫の毛の小さい竜を乗せ、狼のようでそうではない雰囲気を放つレナと同じ姿の生物と共にだが。

「久しぶりだなレナ。1年以上姿見てないからどうしていものかと思ったが、元気そうだな」

「ゴルダさんこそ元気そうで」

そんな他愛もない会話を続けていると、ゴルダの頭の上に乗っていた竜が降りてきてレナの背へ乗る。

「マティルーネが初対面の奴に乗るとはな。レナ、今お前の背に乗っているのがマティルーネだ」

少々びっくりしているレナに、ゴルダは何を理解したのかは不明だがとりあえず頷きながらマティルーネを紹介する。

「よろしく」

背に乗っていたマティルーネに言われ、レナはこちらこそと返す。
この一連のやり取りを見ていたゴルダは、不思議そうな目線をレナに投げかけて

「幻獣語を理解できるとは、な」

謎の一言を発する。
ゴルダのこの一言にレナはぽかんとしていたが、ミリシェンスが

「あなたが初見でマティルーネの言ってることを理解できたことに興味を持っただけよ」

とゴルダの言っていることを解説してくれた。
それにレナは

「あはは…なるほどね」

いつもと同じようその場を濁した。

なおこの後、レナはミリシェンスに毛の手入れをしてもらったり、ゴルダとこの2年あまり何をしていたかを語ったとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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