氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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運転して買い物へ

「えー、嘘でしょう?」

昼食の支度をしようと冷蔵庫を開けたミリシェンスが、そんな声を漏らす。
なんと冷蔵庫に食料がなかったのである。

「どうかしました?」

「朝食分で食料が尽きちゃったのよ」

洗濯機を回し終えて脱衣場から出てきたユウにどうしたのかと聞かれ、ミリシェンスは食料がないと答える。
それにユウは

「じゃあ買い物に行きませんか?」

と提案するも、ここが近くにスーパーなんてものがない立地であることを思い出す。

「しかも今日からゴルダとフウが異界に行っていて帰ってくるのは明々後日」

さらにタイミングが悪いことに、いつも買い物をしてくれているゴルダが今日からまた依頼で日本へ行っていて家を空けているのだ。
しかも、帰ってくるのは明々後日である。

「でも買い物には行かないといけないんですよね」

「そうなのよ。ゴルダのよく行くスーパーの場所は分かるけど、座標までは分からないからテレポートでも行けないの」

ゴルダの行きつけのスーパーの場所は知っていても、座標までは知らずなのでテレポートで行くことすら叶わない。
一応、冷凍食品やらインスタント系の食料はあるのだがミリシェンスはそれらを好かない。
その根底にあるのは、食事は健康的なものであってこそというもの。

「どうします?ネットショップなんて使ったことないですし」

「一応カードとかはあるから金銭的な問題はないのよ。うーん…」

八方ふさがりな状態で長考に入った2人に、今の今まで傍観していたマティルーネはこう言う。

「ミリシェンスってゴルダと契約した時に記憶以外は共有してたわよね?だったらゴルダの軽トラ運転して買い物に行けばいいじゃない。記憶以外を共有しているなら運転の技術と経験も共有しているはずよ」

ゴルダの軽トラを運転して買い物に行けばいいという提案に、ミリシェンスはその手があったかという顔をするも

「でも実際には運転したことないのよね」

実際には運転したことがないので心配だと漏らす。
だが、マティルーネは

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ、はい鍵」

そんなこと言ってる暇があるなら行くわよと、軽トラの鍵をミリシェンスに渡す。

「そうね…マティルーネ、ユウ。買い物に行くわよ」

覚悟を決めたミリシェンスは鍵を受け取り、マティルーネとユウに声をかけて車庫へと向かう。

「ギリギリハンドルとレバーに手が届く程度ね。ペダルは魔法でなんとかするとして。ユウ、シートベルトはちゃんとしてね」

マティルーネとユウと軽トラへ乗り込み、ミリシェンスは鍵を差し込んでエンジンを掛けた。
ここまでは順調、次は実際に運転してスーパーまで行って帰ってくる。

「よし、行くわよ」

そう言ってミリシェンスはギアをリバースに入れて車庫から車を出す。
さすがは契約で技術と経験を共有しているだけのことはあってか、車庫から車を出すことには難なく成功した。

「よし、じゃあ本当に行くわよ」

「安全運転でお願いしますね」

ギアを入れ直し、ミリシェンス達は買い物へと向かった。

それから十数分後。
何事もなくゴルダの行きつけのスーパーにたどり着いた一行は、そそくさと買い物を済ませてまた軽トラに乗り込み、帰路へ着く。

「やっぱり何でもできるんですね、ミリシェンスさんって」

「ゴルダが出来る範囲のことしかできないわよ」

今日もなんだかんだで、平穏な1日になったのであった。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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