氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

天才と聖夜

今年も関係ないものには関係がなく、関係があるものにはある日がやってきた。
去年は盛大にクリスマスをやっていたセイグリッド城も、今年は静かだ。
それはなせがというと、アルカトラスが異界に行って居ないからである。
そんなしんみりとした雪を被るセイグリッド城に、一人の天才ことメリエルはやって来た。

「なんでこんなに静かなのよ、クリスマスなんだからパーティーでもしてると思ってたのに残念だわ」

などと文句を言いながら城の敷地へ入るメリエル。
今日はいつもの服装に手袋、耳当て、マフラーという防寒装備をしている。

「本当に誰も居ないの?」

人っ子一人すら見かけない、雪で白く染まった庭園を歩きながらそんなことを言っていると、どこからか

「居たらどうする?」

と聞き覚えのある声が聞こえた。
メリエルがその声が聞こえた方へ振り返ると、煙草のようなものを吸いながら雪でマティルーネを作っているゴルダを発見。

「あんた寒くないの?」

ナイフで細かい調整をしているゴルダにメリエルはそう聞く。
ゴルダはそれに煙草のようなものの火を消し、ナイフをしまっていい感じだと呟いてから

「リヴァルスよりは寒くないな」

と会話のドッジボールを返す。
メリエルはそれにあんたらしいわと目線で訴えると

「マティルーネとミリシェンスはどこよ」

いつもそばに居るマティルーネとミリシェンスが居ないことに気付き、どこに居るのかと聞く。

「部屋の中だ」

ゴルダはそれに部屋の中だと答え、どこから出したのか分からないカメラで雪像のマティルーネを撮る。
それを横で見ていたメリエルは、何がしたいの?という感が否めなかったものの、それは口に出さずに

「中入りましょうよ、さすがに寒いわ」

寒いので中へ入ろうとゴルダに促す。
一方ゴルダは、何度がシャッターを切ってからメリエルの提案を受け入れて室内へ。

「やっぱり中は温かいわ」

中に入るや、防寒装備を脱いでそんなことを言うメリエルにゴルダは何の反応も示さずにつかつかと回廊を歩いていく。

「ちょっと、待ちなさいよ」

メリエルはそう言ってゴルダの後を追う。

そしてそのうち、ゴルダが入ったのは普段は全く使われない応接室。
メリエルもゴルダに次いで入ると、テーブルの上にこじんまりした料理が置かれ、シアとミリシェンスにマティルーネ、レルヴィンと少し離れてアルガントとフィルスがそれぞれ座っていた。

「なんでフィルスが居るのかはさておき、何よ」

こちらをじっと見ているミリシェンスに、何よと話しかけるメリエル。

「特にこれといったことなんてないわ」

いつもの調子で返事をしてきたミリシェンスに、メリエルはうぐぐとなる。

「それはそうと、せっかく来たのだからゆっくりしていきなさい」

シアにそう言われ、メリエルはそりゃそうよねと急にドヤ顔をしてシアの前足の辺りに座る。

「やっぱりこうじゃないとね」

自分の前足の辺りに座ったメリエルを、シアはそのまま毛の中へ埋もれさせる。
なお、された本人はすっかりご満悦な様子。

「なんだかなね」

「そうね」

それを見ていたミリシェンスとマティルーネは、同じことを口にした。

なおその後は、なんだかんだで飲み食いしたり話をしたりで時間を過ごしたという。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

小説(交流) |
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。