氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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新たな居候

この日、ゴルダの家に新たな居候が増えた。
それはユウと名乗るフウを白髪にした万年薄手シャツの少女で、フウの姉だと言うが、今一つ信憑性に欠ける。
しかし、一応ゴルダはこっそりシアに調べさせ、ユウとフウが姉弟であることは確認している。
そして、なぜユウが居候することになったのかというと、遊びに来たモカ達にたまたまついてきてフウと再会。フウがここに住んでるなら自分もと言い出し、ゴルダが

「いまさら1人増えた程度で誤差の範囲だ。それに面倒見るのは嫌いじゃない。ただしある程度手伝いはしてもらおうか」

と必要に応じて手伝いをするという条件を課して了承。
そして今日、ユウが越してくることになっている。

「このままだと乗り逃がすわよ」

居間でスーツに身を固め、大型のスーツケースを横に置いてソファに座っているゴルダにミリシェンスはそう言う。
今日はタイミング悪く、ゴルダは地球へ1週間余り依頼で行かなければならず。今日が地球へ赴く日なのだ。
だが、約束の時間になってもユウが来ず、こうして待ちぼうけを食らっている。
当然ながら、飛行機の時間があるためそこまでは待てないのだが。

「行っちゃっていいよ?ユウは来るって分かってるし」

ソファの目の前にあるテレビで、ゴルダがずいぶん前に買ったゼルダの伝説をやりながらフウは言う。
なお、やっているのはトワイライトプリンセスの方である。

「本当にこれ以上待ってたら乗り逃がすな、悪いが出るぞ。ユウにはフウと相部屋になるよう伝えてくれ、あと俺は仕事で1週間は帰らないこともな」

やがて、これ以上待つと飛行機に乗れなくなると判断したゴルダはミリシェンスにユウへの伝言を2つ残し、そそくさと家を出る。

「はいはい、行ってらっしゃい」

「気を付けてねー」

フウとミリシェンスに見送られ、ゴルダは出掛けて行った。

それから30分後。

「やっと着きました、ここね」

どうやって持ってきたのか分からない大量の荷物を抱え、ユウはゴルダの家の前に到着。
なおこれでも荷物は減らした方だとか。

「…ごめんください」

多少よろけつつも、玄関の扉をノックするユウ。
数十秒の沈黙を置いて玄関の扉が開き、ミリシェンスが出てきた。

「待ってたわ、ゴルダは今日から1週間仕事で家を空けてるわよ」

「そ、そうなんですか。それより今日からよろしくお願いしますね」

ミリシェンスにゴルダが仕事で家を空けていることを告げられ、ユウはそうなんですかと返す。

「それより早く入って、風邪引くから」

寒い北風が吹き込み、身震いしたユウにミリシェンスは早く入るよう促す。
ユウはそれに従い、荷物を再び持って家の中へ。

「暖かい…」

「この時期はもう暖炉使わないと寒いのよ」

外とは違う明らかな温暖差に、ユウは思わず手に息をかける。
ソファにはマティルーネが寝ており、テレビではフウが相変わらずゼルダの伝説で遊んでおり、レルヴィンはその側に陣取っている。

「荷物置いた方がいいわね。部屋は…フウと相部屋ね。これ以上は部屋は増やせないみたいだから」

「相部屋で大丈夫ですよっ」

ミリシェンスからフウと相部屋と聞かされ、ユウは荷物を持ってフウの部屋へ。
フウの部屋は、入って左奥にパソコンの置かれた机があり、右奥はクローゼット。入って左手にベッドが置かれているが、まだまだ余裕のある広さを持つ部屋だ。

「フウも整理整頓はできてるのね」

ひとまず衣類を片付けようと、クローゼットを開くユウ。
中はミリシェンスかゴルダが片付けているのか、とてもすっきりしている。
ユウはクローゼットの下の方に衣類を置いていくが、フウのものと思わしき謎の箱を発見。

「何でしょうかこれ?」

興味本意で箱を開けたユウだが、すぐに箱を閉じて元に戻した。
一旦中身は何だったのか?それはユウにしか分からない。

その後もユウは荷物の片付けを進め、1時間で終わらした。
そしてフウの部屋を出、居間へ戻る。

「楽しい?」

「わっ…!なんだ、ユウかぁ」

尚もゼルダの伝説をしているフウに、背後から声をかけるユウ。
フウはそれに驚いて後ろを振り向くが、それがユウであることを確認するやほっとした表情を見せる。
どうやらフウとユウは、互いに呼び捨てにし合うほどの仲のようだ。

「さてユウ、洗い物をと言いたいけどあなたのエプロンがなかったわ」

ここでミリシェンスが、ユウに手伝いをしてほしいと声をかけるも、エプロンがないことに気づく。
当然ながら、ミリシェンスの前掛けエプロンではサイズが違いすぎてユウには入らない。
そこでミリシェンスは、どこからか巻き尺を出してユウのサイズを計り出す。
そして採寸もそこそこに、ミリシェンスはどこからか布生地や裁縫道具とミシンを出したかと思うと、まるで機械のように流れる動きで生地を切ってミシンを動かし、あっという間にユウ用のエプロンを作ってしまう。

「急ぎで作ってるから出来は今一つかもだけど、普通に使うなら申し分ないはず」

「あっ、ありがとうございます…」

「いいのよ。さあ、早く洗い物終わらせましょ」

「はいっ!」

こうしてゴルダの家はまた賑やかになった。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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