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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

お泊まりは簡単にできるものではない

今日のゴルダの家は、いつもと違って騒がしかった。
なぜかというと、モカとココにチーノが泊まりに来てしまったからだ。
今日は夜の依頼があるため、一度は断ったゴルダだが、ココがアルガントに悪戯をして泣かそうとしたため、ミリシェンスに面倒を見るように頼んだのである。

「いいか?コロンが居ないからとハメを外すなよ?」

そろそろ出ないといけない時間だったので、ゴルダは玄関の前でココとチーノに言う。
時刻は夜の7時前、依頼主との約束は8時だが早めに出ないと間に合わない場所での待ち合わせなのだ。

「大丈夫だって」

「そうそう」

ニヤニヤしながら返事をする2人を見て、ゴルダはやや訝しみながらも

「ミリシェンスの言うことはちゃんと聞くんだぞ」

と言って家を出た。
ミリシェンスは出て行くゴルダを見送ると、居間に居るココ達に向き直る。
ココ達は、銀魂というアニメのDVDを食い入るように視ており、特に何かをやらかす様子はない。

「さて、夕食の支度をしないとね」

そう言ってミリシェンスは台所に向かう。
するとそこへモカが来て

「お手伝いします」

夕食の支度を手伝うと申し出てきた。
居間では、ココとチーノが未だにフウにレルヴィンとマティルーネと銀魂を視ていた。

「大丈夫そうね、じゃあモカ。冷蔵庫から…」

ミリシェンスは改めてココ達がやらかしそうにないことを確認してから、モカに冷蔵庫から指定した食材を取るように言うのであった。

一方、銀魂を食い入るように視ているココ達はというと

「なんでこんな危ないネタばかりやるのかしらね」

銀魂の作中の危ういネタに疑問を持っている様子。
一方のチーノは、フウとたびたびケタケタと笑っている。

「んー」

銀魂を視るのに飽きてきたのか、ココは時々鼻を鳴らしているマティルーネを触る。
おそらく、ゴルダがソファの掃除を怠っているせいで埃が舞いやすくなっているのだろう。

「ねーねー、なんで喋らないの?」

また鼻を鳴らしたマティルーネの頬を摘まみながらココはそんなことを聞く。
マティルーネはそれに、嫌そうな顔をするだけで何も喋らない。
いや、正確には喋ってはいるがココには理解できない言語なのだ。

「ま、いっか。マティーはかわいいもん」

マティルーネを変なあだ名で呼びながら、ココは膝の上にマティルーネを乗せる。
膝に乗せた瞬間、ニンジン独特の甘い匂いがしたが、これはマティルーネがニンジン以外をほとんど食べない竜だからだろう。

「さて、次は何にしようかな」

ちょうどDVDが終わったらしく、次は何を視ようかと選んでいるフウにココは

「マリオブラザーズしない?あの4人まででできるの」

マリオブラザーズをしようと持ち掛ける。
だがフウは乗り気ではないらしく

「どうしよっかな?」

とだけ返事をした。
それにココはえーという顔をしながら、何かをひらめいたように

「先にお風呂にしましょうよ、チーノも。ね?」

風呂に入ろうと切り出したのだ。
フウはそれに何の疑問も抱かず、いいよと二つ返事を返す。

「ミリシェンス、風呂に入ってくるね」

「あら早いのね、どうぞ。洗い物はまとめて置いておいてね」

ミリシェンスに風呂に入ると言うと、いいと言われたのでココは内心で計画通りと呟き、フウとチーノと風呂へ。
風呂の前にある脱衣場は、少し古い型のドラム式洗濯機に、洗面台キャビネットがあるだけのただの脱衣場。
そこで3人は服を脱いで風呂の中へ。
いつもはミリシェンスと入っているフウにとって、2人以上で入るというのは、自分のとある秘密を知られてしまう脅威以外の何物でもない。

「わぁ広い」

「ココ、体洗う前に湯に入ったらダメだよ」

やたらめったらにはしゃぐ2人をよそに、フウはそそくさとシャワーを出し、さっさと上がってしまおうとシャンブーに手を伸ばす。

「シュート!」

「いたっ」

ココがふざけてチーノに投げた手近にあった石鹸が、フウの後頭部に命中。
石鹸はその場にこてんと落ちた。

「早く入らないとミリシェンスが怒るよ」

黙々と頭を洗いながらフウは言うが、ココとチーノは聞いていない。
それどころか、洗面器に湯を入れて掛け合って遊び始めたのだ。

「うー…」

その何とか言うのを止めなさいという声がどこからか聞こえてきそうな唸りを上げながら、フウは2人の存在を無視して風呂に入るのだった。
なおこの後。ココがフウに悪戯をして、その時のフウの声でミリシェンスが肝っ玉の持ち主の母のように、風呂で遊ぶんじゃないのと飛び込んで来たのは言うまでもない。

「さあ、夕食よ」

さっき怒ったことなどどこ吹く風なミリシェンスは、フウ達をテーブルに座らせて夕食を食べさせる。
今日は、異様にマッシュルームの量が多いハヤシライスのようだ。

「マッシュルーム切りすぎちゃった」

てへへという顔をしているモカから察するに、マッシュルームが多く入っているのはモカが切りすぎたせいらしい。
ちなみに、夕食の時間はミリシェンスが変なことをしないように見張っていたので、何も起きなかった。

「ごちそうさまー」

やがて夕食も終わり、フウ達3人は部屋へ。
モカとミリシェンスは洗い物を片付けていた。

「ゴルダ様もこうやって夕食後の片付けを手伝ってくれるんですよ」

「あの人らしいわね、無表情なのに面倒見はいいというところが」

2人でゴルダの話をしていると、あっという間に洗い物が終わった。

「さて、どうしますかね」

ミリシェンスはエプロンを外し、ソファに腰掛ける。
隣にはマティルーネがお疲れさんと言いたげな顔で座っていて、その隣にはモカが居る。

「お風呂、入りませんか?お互い、まだですよね?」

モカの一言にミリシエンスはそうねと返す。

「よかったら一緒にどうです?」

モカの一緒に入らないかという発言に、ミリシェンスは特に驚く様子もなく

「構わないわ」

と返事をした。

それからモカとミリシェンスは2人で風呂に入って疲れを癒したのだが、ココとチーノにこの後も振り回されて結局元通りになったとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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