氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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寿司を食むようです

冷え込みも日に日に厳しくなってきたある日、ゴルダはどういうわけか何もないにエルフィサリドに呼び出された。
城にマティルーネを連れてやって来てたゴルダは、従者に案内されて大広間へ。
大広間の壁の所々に苔が生えていて、ガラス張りのような透明な天井には、水が流れている。だが、そこまで湿っぽくはなく。衛生状態は良好だ。
そしてそこには、椅子に座ったまま足を組んでいるシスイと、こっちこっちと尻尾でこまねいているエルフィサリドの姿があった。

「時間的に、昼飯に誘ったということか?」

ゴルダの一言に、エルフィサリドは尻尾を口元に当てて

「そんなところよ」

そうだと答える。
ゴルダはそれに何も言わず、シスイとエルフィサリドの間に座る。
なおマティルーネは2人に警戒しっぱなしなのか、耳を激しく動かしたまま止めないでいる。

「それで、今日の昼食はなんだ?」

従者が出した、スリュムヴォルドで栽培され、摘まれた茶葉で淹れた緑茶をすすりながらエルフィサリドに聞く。
なおシスイは、マティルーネが警戒しっぱなしなのに感づいているが、あえて気にしないふりをしている。

「んーと、寿司よ」

昼食はなにかと聞かれ、エルフィサリドは寿司だと答える。
ここで、寿司と聞いて疑問に思うだろうが、この世界にも寿司は存在している。
いつ頃からかは不明だが、なんらかの要因でこの世界に飛んできた日本の寿司職人が、この世界の米と魚を使って寿司を作ってから広まったという。
元の世界のものとは全てが違う材料を使い、試行錯誤の末に本来の寿司の味をこの世界の材料で作るのに、5年はかかったとも言われている。
それ以降は、じわりじわりと広まり、この世界でも普通に寿司は食されているのだ。

「前に異界の依頼の付き合いで食わされた、魚沼のコシヒカリで炊かれたシャリの寿司は良かったな」

ゴルダのこの独り言に、エルフィサリドは

「あらあら、今日はそれと同等の米で作らせてるのよ?」

と耳元で囁いた。

やがて、3人の前に寿司が運ばれてきた。
エルフィサリドのだけが異常に大きいが、体格の差故に仕方がないだろう。
皿の上には、マグロ、イカ、タコ、ホタテ、マス、ウニ、ブダイにその他分からないネタの寿司が並べられている。
なお、全てこの世界でとれたものだ。

「では、頂くとするか」

寿司に全く興味がないマティルーネをよそに、ゴルダは箸を持ち、手始めにブダイから手をつける。
ブダイは異界の地球にも居る魚だが、食べるという話はそこまで聞いたことがない。
白身で身は引きしまっており、醤油をつけて口に運ぶと若干コリコリしていた。

「なかなかだ、シャリも酸っぱさと甘さのバランスがいい」

「城の従者の料理人に、元板前が居るのよ」

ただ黙々と食べているシスイを横目に、エルフィサリドはゴルダにそう言う。
その後は次々と他のネタを食して行ったゴルダだが、全て食べ終えて漏らした感想は

「有名寿司屋と並ぶ味だったな」

という一言だけだったとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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