氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

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はーたんは寝れないようです

その日ゴルダは、依頼で日帰りで日本まで行っていたので帰りが深夜になった。
本当ならさっさと帰ってくるつもりだったが、依頼主に夜の町に連れ出されて数件をはしご酒し、どうにか理由をつけて依頼主から逃げるようにこの世界に帰ってきたのが1時間ほど前。
そこから座標指定テレポートで帰ってくるつもりが、酒が入ってたせいで座標がずれて思わぬところへ飛ばされ、今しがたようやく自宅にたどり着いたのだ。
ハーキュリーとミリシェンスには、帰ってくるのは日をまたぐ可能性が高いと釘を刺しておいたが、いざ日をまたいで帰ってきたとなると、何を言われるか分かったものではない。

「遅いと言われる程度だろうが、めんどくさいな」

などと杞憂なことを呟きながら家の中へ入る。
家の中は静まり返っていて、かすかにエーヴィヒ手製の時計の秒針が動いている音だけ。

「ただいま」

ゴルダはいつもの口調でただいまと言って居間へ行く。
明かりは少し薄暗い程度には点いていたが、ソフアにハーキュリーが座っているためか、その周りが光っていた。

「まだ起きてたのか」

服を着替えながらゴルダがハーキュリーに話し掛けると、ハーキュリーはこちらを向いて

「お帰り。遅かったなー、ミリシェンスとマティルーネは先に寝ちゃったぞ?」

お帰りと言ってくれた。
その顔は眠気が微塵も感じられず、どうしたらそんな真似ができるのかが謎である。

「寝ないのか?」

一通り着替え終わり、台所で水を飲みながら聞いてきたゴルダに、ハーキュリーはきっぱりと

「全然眠くないぞ?」

と返す。
だが、ゴルダはこの一言から何かを見抜き、ハーキュリーの近くへ行くと

「本当は俺がいつ帰ってくるか分からんのが気になってたせいで、目が冴えっぱなしになってたんじゃないのか?」

自分がいつ帰ってくるかが分からないので、目が冴えっぱなしになってたのでは?と水を差し出す。
それにハーキュリーはバレたかと頭を掻きながら

「ま、まあな。でもゴルダが帰ってきたしもう寝れそうだよ?」

もう寝れそうだと、水を飲みながら言う。

「そうか、なら寝るぞ」

水を飲み終えたハーキュリーにゴルダは寝るぞと言い、自室のベッドへ。
ゴルダの部屋にはベッドが2つあるが、これはアルガントとウラヘムト、ゴルダとミリシェンスとハーキュリーとマティルーネで別けてあるからである。
なおレルヴィンは、ゴルダ達のベッドの側で寝ている。

「おやすみ」

「おやすみだぞ」

こうして、2人も就寝したのだった。

それからどれくらい経っただろうか。
ハーキュリーはずっと目が冴えたまま横になっていた。
ゴルダは既に半覚醒睡眠に入っていて、一応声を掛ければ起きてはくれる状態。

「なあゴルダ」

寝ているミリシェンスとマティルーネを起こさないよう、ゴルダの背をゆするハーキュリー。
ゴルダはすぐに何だと体を起こし、ハーキュリーを見る。

「寝れないぞ」

ハーキュリーにストレートに言われ、ゴルダは困ったなとだけ言ってその場で考え込む。

「寝つきが悪いか、なら軽めの睡眠導入剤ならあるが」

いかにもな返事にハーキュリーは

「それはないだろー!」

とゴルダをたしたしと叩く。
それがダメならば何があると、ゴルダが次に考えた案は、香でも焚こうというものだが、ミリシェンス達が寝ているので即座にその叩き潰す。

「なあゴルダを…抱いたらダメか?変な意味はないぞ?ゴルダがそういうのには医学的興味しかないのは知ってるからな」

これもダメなら次はなんだと、ゴルダが頭をフルに回転させてまた次の案を考えていると、ハーキュリーが抱いたらダメかと聞いてくる。
なお、ハーキュリーのいう抱くとは、自分の毛の中にゴルダを埋めるというもの。
これにゴルダが出した結論は

「それでお前が寝れるなら構わん」

それでハーキューリーが寝れるならと、いつもなら渋るのに今宵はすんなり了承。

「じゃ、こっち来てくれないか?」

こっちに来てくれとハーキュリーに言われ、ゴルダはマティルーネとミリシェンスを起こさぬようにハーキュリーの所へ。
そしてやって来たゴルダを、ハーキュリーは背後からもふっと抱きついてそのまま寝かせる。
一方ゴルダは微動だにもせず、ハーキュリーに埋もれていた。

「いつもの態度とは裏腹に、ゴルダも体はやっぱり暖かいんだな」

ゴルダの体温を感じる程度には密着して抱いていたハーキュリーの一言にも、ゴルダは何も言わなかった。
話は聞いているようだが、また半覚醒睡眠に入ってるようである。

「ゴルダー…居なくなったらやだぞー…」

こうしていつの間にかハーキュリーは眠りについたのだった。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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