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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

友チョコのお返しは?

それは3の月のある日のこと。
セイグリッドのとある店でゴルダは何かをしていた。

「やけに小さいサイズのをオーダーするねえ、まあ勝手にサイズが変わるんだが」

「俺が着るわけではないんだがな、とりあえず頼んだぞ」

それは何かというと、あからさまにゴルダが着るサイズではない服。
着れるとすれば、フウぐらいの身長と年齢が着るくらいのもの。
なぜゴルダがこんなものをオーダーしたのかというと、それは2の月にフウからもらった友チョコのお返し。
ちなみに、服だけではなく同じような生地でストールのようなものもゴルダはオーダーしていた。

「そこまで立て込んでないから数日で仕上がるよ」

「分かった、頼んだぞ」

そう言ってゴルダは、頭の上で退屈そうな顔をしていたマティルーネに悪いなと言って帰ることに。

「あっ、おっかえりー」

家へ帰ってきたゴルダを、エプロン姿のフウが出迎えた。
その横では、レルヴィンが尻尾を振って遊べと言わんばかりの顔をしている。
現在、ゴルダが居ない間の家事はほぼ全てフウが行っているが、それでも危ないことはゴルダがやっている。
ちなみにゴルダが帰ってきた時にフウは、食器を洗い、洗濯をしているところだった。

「どこに行っていたの?」

「それは教えられんな」

「えー、なんで?」

フウにどこへ行っていたのかと聞かれ、ゴルダは何も答えることなくマティルーネに頭から降りるように言ってフウと入れ替わりで台所に立つ。
それに対してフウはなんでとは言ったものの、それ以上は追及しないことに。
だが、フウには何となくゴルダがどこに行っていたのかの察しはついていた。
それは何かというと、フウが先月ゴルダに渡した友チョコ。
それのお返しで探していたのだろうと確信したフウは、自分もモカとコロンにお返しをしなければと思い、どうしようかを考え出す。

「何がいいかなあ」

しかしすぐに答えが出るわけでもないので、ゆっくり考えることにした。

そして翌日。
いつものようにパソコンをいじっていると、フウはあるものを見つける。

「あっ、これいいかも?」

それは何かというと、とあるショッピングサイトのホワイトデーの特集ページ。
そのページを見てフウはあるものに目が移る。
フウはそのままそれモカとコロンの分を注文確定し、一瞬軽くニヤリとしてそれっきりとなった。
一体フウは何を注文したのだろうが?それは本人にしか分からない。

さらにそれから数日後。
ゴルダの家にあらかじめ呼ばれていたモカとコロンがやってきた。
おそらく、ゴルダが渡したいものがあるからついでに遊びに来いとでも言ったのだろう。

「こんにちはー」

2人そろって挨拶をしてきたモカとコロンに、ゴルダはよく来たなと言ってフウに茶を出すように言う。
フウはうんと言って台所に行き、台所で何も言わずに茶を作るために湯を沸かし、2人に茶を淹れた。

「あら、ありがとう」

「ありがとうね」

それにフウはえへへと笑いつつ、さらに2人に菓子も出す。
その際ゴルダは微動だにもせず、マティルーネを頭に乗せたままモカとコロンを見ている。
するとモカがゴルダに

「そんなに頑なにならなくてもいいんじゃないですか?」

頑なにならなくてもいいのではないかと言う。
だが、ゴルダはそれには何も答えずにフウが別に淹れてくれた緑茶をすする。

「それで、渡したいものってなんです?」

「元々それで呼ばれたんだったっけ?何かなあ」

それを見て、コロンとモカが何を渡したいのかと聞いてきたのでゴルダはそれに対して分かったと言い、どこからか3つの箱を取り出す。
それは、ゴルダがつい最近セイグリッドのとある店でオーダーしたもの。

「先月のお返しだよ、友チョコとやらのな」

ゴルダはそう言って、手始めに2人に箱を渡す。
箱を受け取ったモカとコロンはゴルダに開けてもいいかどうかを聞かずに、箱を開ける。
すると中には、白いストールが入っていた。
ちなみに、これは聖竜布と呼ばれるシアやアルカトラスの抜け毛で織られた布を使っている。

「あら、これいい感じね」

「わーすごい」

モカとコロンはそのストールを見てとても嬉しそうにして実際に広げて眺め始める。
そしてそれを見計らったのかのように、ゴルダはフウにも同じように箱を渡す。

「えっ?」

「いや、コロンとモカだけじゃなくてお前にも渡すつもりだったんだが。とりあえず開けてみな」

面食らったような顔をするフウに、ゴルダはお前にも渡すつもりだったと言い、さらに開けてみろと言う。
フウはそれに頷き、箱を開ける。
中には、フウの今のサイズに丁度良く作られた普段着のようにも作業着のようにも見える服。
ちなみにこれも聖竜布で作られたものである。
なお、レルヴィンはその服の匂いを嗅ぐとうーんと言いたげな顔をしてそれ以上嗅ぐような真似はしなかった。

「あれ?」

それを見て、フウがどうしたのだろうかという顔をしていたのだが、ゴルダは何も答えずに着てみろとフウに目線で言う。

「なんでレルヴィンが嫌そうな顔しているか分かんないけど、着ろ言って言うなら着るしかないよね」

フウはそう言ってその服を持つと自室へと引っ込む。

「お待たせ」

それから数分後、フウは先ほどの服に着替えてさらにまた2つの箱を持って出てきた。
実際にフウがその服を着てみると、少し長めだったが動きには問題はない様子。

「似合ってるんじゃない?」

「そうかなあ?少し長い気がするけど」

コロンに似合っていると言われ、フウはそうかなと訝しむ。
なお、レルヴィンはその服装のフウと少し距離を置いている。
これを見てゴルダは、レルヴィンにはフウの服の魔力の刺激が強すぎるのだろうと確信しつつも見ているだけで何もしない。

「いい感じねえ、それよりフウが持ってるその箱は?」

コロンが似合っていると言った少し後に、モカもいい感じだと言いつつその箱は何なのかと聞く。
それにフウはあたふたしながらも

「こっ、これ…お返しです」

と2人に渡してそのまま部屋へ引っ込んで行ってしまう。
それを見たコロンはうふふと笑い、モカはあらあらという顔をしたのであった。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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