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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

正月の一時

地球で新たな1年が始まったように、ドランザニアでも新たな大陸歴の1年が始まった。
いつもならば、リフィルやセイグリッドへこの日は行くゴルダなのだが、今年は違った。
それはなぜか?何を隠そう、ゴルダの所にはハーキュリーが居るからである。
なので、下手に出ることができずにこうやって家でハーキュリーと過ごしているのだ。

「今年も良い年にしよーなー」

「ふっ…」

「むー」

ゴルダの相変わらずの反応にむすっとするハーキュリー。
テーブルの上には正月ということもあってか、様々な料理が並んでいるがこれは全部ゴルダが作ったものである。
一応ハーキュリーも手伝ったのだが、手伝ったのは下ごしらえ程度。

「なーなー、アルガティアの所行かねーのか?」

「お前が居るだろ、それにたまには正月くらい自宅で過ごしたい」

アルガティアの所に行かないのかとハーキュリーに聞かれ、ゴルダはたまには自宅で正月を過ごしたいと返す。
そのゴルダの返事に、ハーキュリーはなんだよという顔をするも

「私が居るからって、行かない理由にはならねーんじゃないのか?」

自分が居るから行かないというのは理由にはならないと言って、ゴルダの腕をぐいと引っ張る。
だが、ゴルダは重力増加の魔法を使ってまでして動こうとしない。
それを見たハーキュリーは、ならばこっちにも考えがあると

「シュクル呼ばれたいのか?」

とある竜の名をさらっと出す。
これにはゴルダも

「めんどくさいことになるから呼ぶな」

と反応を示す。
どうしてここまでゴルダがシュクルに来て欲しくないのかということについては伏せておくが、とにかく面倒なことになるようだ。

「なら行くぞー」

ハーキュリーのある意味での脅しで折れ、ゴルダはめんどくさそうに立ち上がると出る準備をする。

「なんだ、普通に行こうと思えば行けるじゃないか」

「むっ」

行こうと思えば行けるじゃないかとハーキュリーに言われ、ゴルダはむっと言うがそれ以上は何も言わずにリフィルへと向かった。
リフィルの正月はこじんまりとした感じで、正月らしい飾りはほとんどなく、城門に

「新玉の年」

という張り紙がされていたくらい。
そのシンプルさにハーキュリーは

「いくら何でも簡素過ぎないか?」

と突っ込みを入れる。
だが、城内では普通にそれらしいことはしていた。

「あけましておめでとうなのだー」

「新春の挨拶申し上げるわ」

タイミング良く居たアルガティアにハーキュリーが挨拶すると、アルガティアも同じように返してくれた。
なお、ゴルダはアルガティアに軽く会釈しただけで無言。
それを見たアルガティアは、ハーキュリーに

「どうかしたの?」

と聞く。
するとハーキュリーは、無理矢理連れてきたから少し機嫌が悪いだけだと答えた。

「無理に連れてこなくてもいいのに」

「新年の挨拶は大事だと思うがなー」

無理に連れてこなくてもいいと言うアルガティアに、ハーキュリーは新年の挨拶は大事だと言う。

「まあいいわ。それよりこれ、お年玉」

「わふ?」

相変わらず無言で従者に出された酒を飲んでいるゴルダをよそに、アルガティアはまあいいわと言って大きめの魔法石をハーキュリーにお年玉だと言って差し出す。
なお、魔法石のサイズはハーキュリーの片手に収まりきらないほどのサイズで、このサイズの魔法石は1つで田舎に豪邸が立てられるとかないとかくらいの値打ちがあるという。
なぜアルガティアがこんな物を持っているのかというと、自分で錬成して作ったからである。
ちなみにどう作ったのかというと、元となる適当な石に魔力を注いで錬成魔法で錬成するだけ。
だがこれでも制作難易度はかなりのものである。

「ありがとうなんだな、しかし私がこんなものもらっていいのか?」

「いいのよ」

「そっかー」

本当にもらっていいのかと、少し訝しむハーキュリーにアルガティアはいいのよと返す。
ハーキュリーはそう言われて、そっかーと言ったとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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