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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

何が何でも探りたい

「いてらー」

「変なことするなよ」

今日も仕事で外出するゴルダを見送ったハーキュリー。
あの笑えよの一件以来、ハーキュリーはゴルダに気に食わないところが出てきていた。
それが何かと言うと、秘密にしていることを全く話そうとしないところ。
気になったら徹底的に調べたくなるハーキュリーにとって、ゴルダの隠し事をする姿勢が気にくわないのだ。

「よーし、今日もゴルダのパソコンを調べてやる」

そして、ゴルダが家からいなくなると決まってハーキュリーはゴルダが隠している居ることを暴こうと家の中を徹底的に調べている。
だが、未だにゴルダの携帯は本人のガードが固くて手が出せていない。
それはパソコンの一部のデータも同じで、パスワードどころか生体認証まで求められるものまである。

「むー…」

そして、今日もウラヘムトからパソコンをぶん取ってゴルダのデータで開けそうなものがないかを調べるハーキュリー。
だが、大抵開けるファイルと言ったらゴルダの描いた絵のデータなどのしょうもないものしかない。
しかし、今日は違った。
いつものようにハーキュリーがウラヘムトが絶対に使わないソフトを一つ一つ起動して調べていると

「わふ?」

どこかのデータベースサーバーへアクセスするためのクライアントと思わしきソフトを起動。
そのデータベースサーバーのアクセス先がリフィルになっていたので、ハーキュリーは首をかしげる。
とりあえず接続してみようとあれこれクリックしてみたが

「パスワードなんて分からんぞー?」

案の定、パスワードの入力を求められた。
しかしここで諦めないのがハーキュリー、ゴルダが設定してそうなワードをパスワードとして何度か打ち込んでみたところ

「繋がったな」

認証に成功し、データベースサーバーへアクセスできるようになった。
一応、パソコンなどの知識や技術もゴルダから伝授されているので、ハーキュリーはこういった少し専門的なソフトでも使いこなせるのである。

「どんなファイルか全く分からんなー」

アクセスできるフォルダをこれまた一つ一つ見て回るハーキュリーだが、どれもこれも知識がないので理解できないものばかり。
だが、その中にハーキュリーでも理解できそうなフォルダがあった。
そのフォルダ名は

「個人カルテ-ゴルダ=R=アルカトラス」

どうやらゴルダ個人のなんらかのカルテが保存されているフォルダのようだ。
ゴクリと唾を飲み込むと、ハーキュリーはマウスカーソルをそのフォルダに合わせてクリックした。
すると、そのフォルダの中にまた数字名のフォルダ一覧がずらりと並んでいた。
フォルダの数字名は、おそらく年月日であろう。
一番古い数字で、今から100年以上前のものもある。
ハーキュリーはこの世界の歴史をあまり詳しくは知らないが、どうやらリフィルにはハーキュリーが知らない何かがあるようだ。

「開いてみるか…」

ハーキュリーはそう呟き、とある一つのフォルダを開く。
その中には電子カルテのファイルがまたずらりと並んでいて、一応閲覧できるソフトがこのパソコンには入っているらしく、開けた。

「いたって普通のカルテだな、血圧とか血液検査の結果とか…」

ハーキュリーがそのカルテを開いてみると、予想どおりゴルダ個人のカルテだった。
書いてあることはいたって普通で、気になるといえば逐一血液検査の結果が書かれていることぐらいだろうか。
だがこの血液検査の結果、ただの検査結果ではないことがすぐに分かった。

「わふふ?進行度が49の100?」

それは、血液検査の結果の最後の辺りに書かれていた進行度という数字。
これは何の進行度なのか?ハーキュリーは少し考えてある答えを導き出す。

「んー、竜滅病の進行度かー?」

ゴルダから竜滅病のことは口すっぱく言われており、発病が確認された者は逐一その進行度を血液検査で調べるということも聞いていた。

「まさかなー、ゴルダが竜滅病だなんてな」

ハーキュリーは、まさかなーとは思いつつも一番古いカルテから見始める。
記録は、5歳そこらから始まっていて、途中で推定年齢に切り替わっていることも分かった。
つまり、ゴルダにはかなり長い空白の時間があるのである。
ハーキュリーは、その空白の時間に少し興味が出てきたが、年月日が飛んだ始めのカルテに

「これより以前、記憶思い出すことすらままならず。脳になんらかのプロテクトが掛けられている模様」

と書かれていて、謎が謎を呼んだ。
だがここで、ゴルダが帰ってくる気配を感じたのでハーキュリーはデータベースサーバーへの接続を切ってソフトを終了させてウラヘムトに席を譲った。

「ますまし怪しいな、ゴルダの過去」

悪巧みでもするかのような顔でによによしながら、ハーキュリーはそう呟いて帰ってきたゴルダにお帰りと言ったのであった。

その日の夜。
この家の夕食には不釣り合いなすき焼きを食べながら、ハーキュリーはゴルダに

「なあゴルダ、正直に言って欲しいんだけど。持病で竜滅病持ってるのか?」

と聞く。
それにゴルダはムサヅキ産の焼酎をぐいと飲んでから

「すまん、言ってなかったな。確かに竜滅病を持病で持っている。だが心配無用、薬でどうにか押さえ込んでいる」

確かに持病に竜滅病があると話した。
薬で押さえ込んでいるというゴルダの一言に、ハーキュリーはそうかーと言いつつ

「無茶するんじゃないぞー?」

無茶するなと言い、この話を切ったのであった。
ここで、ハーキュリーはゴルダの隠していることを探るのを諦めたわけではないと断りを入れておく。
まだまだ序の口なのだ。
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