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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

季節外れの大雪の日に

ゴウゴウと吹雪く音が外から聞こえてくる窓の外、そして暖炉は火力が最大になるように燃やされている。
今日のドランザニア中部は、季節外れの寒波の影響で大雪と吹雪が吹いていた。
気象情報では、この吹雪と大雪は明後日まで弱まることはないという。

「電気も不安定だな、時々切れる」

そんなことを言いながら、テレビの前でアルガントを背に乗せて腕立て伏せをするゴルダ。
特にやることもなく、こんな吹雪の日に依頼が来るはずもないのでこうやって暇をつぶしている。

「まーだまだ」

一瞬腕立て伏せを止めたゴルダに、アルガントはまだだと背を叩く。
ちなみに、ウラヘムトは部屋でパソコンでバイオショックをしている。
だがゴルダはそれでも腕立て伏せを再開するどころか、中断して窓の外の方を見に行った。
その際、アルガントはゴルダの背から滑り落ちてそのまま部屋の方へと自分で転がっていった。

「これはそろそろ停電するだろうな、よし…自家発電機に切り替えるか」

さっきよりも電気の途切れがひどくなってきたので、ゴルダは自家発電機に切り替えようと裏口から外へ出る。
なぜかこの家は配電盤が外にもあり、ブレーカーが落ちると外のも上げに行かなければならないというめんどくさい仕様になっている。
前にゴルダは、それを解消すべく配電盤を1つにしようとしたが結局全部は出来ていない。

「もうこんなに積もってやがるのか」

外へ出ると、ゴルダの膝あたりまで雪が積もっていた。
なので、ゴルダは裏口に立てかけてあった雪かき用のシャベルで道を作りながら自家発電機の所へと向かう。

「すごい雪だね」

そのまま自家発電機の所へ向かっていると、氷麟がやけに楽しそうにしながら話しかけてきた。
実は、大雪と吹雪になる前に小屋から出してやっていたのである。

「お前はなんともないかも知らんが、俺はうんざりしている」

「もっと積もると思うから窓とかに注意したほうがいいよ、補強するとかさ」

「無論そのつもりだ」

氷麟とそんな会話を交わし、ゴルダはそのまま自家発電機の所へ到達。
さあ稼働させようとキーを回したのはいいが、うんともすんとも言わない。
どういうことだと冷静に調べていると、燃料の液体魔力がすっからかんだった。
しかも、最近全く使っていなかったせいかあちこちが故障している。

「冗談きついぞ」

自家発電機が置かれているすぐ横が、最近新たに軽トラを置いたりするために増築したガレージだったのでゴルダはそこから工具と液体魔力を引っ張り出す。
なお、修理自体はそこまで難しいものではなかったのだが、何分大雪で吹雪いているので集中力が途切れ途切れになって時間がかかった。

「よし、いい子だから一発で動けよ」

どうにか修理と燃料の液体魔力の補充を終え、稼働用のキーに手をかけるゴルダ。
そしてキーを『停止』から『稼働』の方へと回す。
すると、自家発電機は機械特有の起動音を立てて稼働を開始した。

「よしよし、後は安定するのを待って給電を発電機側に切り替えるだけだ」

自家発電機は確かに稼働したが、いきなり給電を切り替えると安定しないどころか発電機が止まる可能性があるので切り替えは安定してからだ。

「よし、あとは切り替えるだけだ。うまく行けよ?」

ゴルダは、『給電切り替え』と書かれた切り替え器のレバーを『自家発電機』の方へと倒す。
すると、一瞬停電はしたもののすぐに出力が切り替わって一瞬停電することもなくなった。
なお、ウラヘムトがパソコンをしているが大丈夫なのかと思われがちだが、ゴルダはその辺は抜かりなく無停電電源装置を置いてあるので問題ない。

「さて、次は窓補強して出入り口の確保だな」

そう言って、ゴルダはガレージに置いてあった丸太などを持って玄関と裏口の確保に向かう。
なお、確保と補強はさっさとやったので30分もかからなかったとか。

「やれやれ」

ようやく家の中へ戻り暖炉に薪を追加するゴルダ。
テレビでは、大雪特別警報が云々という臨時ニュースが流れていて今回の大雪が只事ではないことを示している。

「こんな時にはあれだな」

などと言って、ゴルダが暖炉の前に持ってきたのは小さめの鍋とウィスキー。
どうやらホットウィスキーでも飲むつもりらしい。

「あっ、ウィスキー」

「お前も飲むか?」

ゴルダがウィスキーを温め出すと、それに釣られたようにアルガントが出てきた。
それに気づいて、飲むかと誘うとアルガントは二つ返事で頷く。
なお、アルガントは酒は大丈夫なのかどうかということについては、なんら問題はない。
しかし、闇竜が故に酔うとそっちの力が強まるので注意が必要だが。

「ふぅ」

「こんなときにはこいつだ」

先にアルガントに飲ませ、自分は熱々にするためにじっくり熱するゴルダ。
端から見れば、異種族親子のようにも見えるその構図は絵にもなりそうである。

「ほえー」

そんなこんなで、時間は過ぎていくのであった。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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