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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

ドラビットの里へ

ある日のセイグリッドのアルカトラスの部屋。
そこでゴルダがタバコのようなものを吸いながらアルカトラスと話をしていた。
その話とは

「なんで俺が行かねばならん?」

「言ったはずだろう、あまりにも手が離せぬと」

ライノートのところへ行って手紙を渡して欲しいとのことなのだ。
だがゴルダは、何故自分が行かねばならないのかと乗り気ではない。
どうやら仕事を肩代わりさせられることがあまり気に入らない様だ。

「どうしても嫌というのならば、それはそれで良いが」

なおもゴルダが納得行かない目線を投げかけてくるので、アルカトラスはそんなことを言う。
それに対して、ゴルダは折れたらしく

「仕方ない…行く」

アルカトラスに仕方がないので行くと返した。
それにアルカトラスはそうかと言い、ゴルダに謎の手紙を渡す。
どうやらこの手紙をライノートに渡して欲しいようだ。

「では行ってくる」

「うむ、頼んだぞ」

こうしてゴルダは、ライノートやトスカの世界へ行くことになった。
だが、いきなり行ってはライノートも対応し難いだろうとゴルダはトスカにこう手紙を出す。

「アルカトラスからライノートへの手紙を預かっている。いつ行ってもいいかを教えてくれ」

この手紙を出したその日の夕方、すぐにトスカから返事が返ってきた。
なお、返事には

「やだぁーっ!いつでもオッケーよー。ライちゃんにも言っておくわ」

などと、トスカらしいことが書いてあった。

そして翌日。
トスカやライノートが来たのとは逆のルートでゴルダはトスカ達の世界へ。

「のどかというかなんというか、なんだこのの人参畑の多さは」

ゲートを通った直後、目の前に広がっていた景色は、ゴルダが住んでいる所とそこまで変わらなかった。
どういう風に変わらないというと、家が全くと言っていいほどになく、広がっているのは森や山。
そして、唯一ゴルダが住んでいるところと違うのは、異常に人参畑が多く、ドラビットが所々に見られるところだろう。

「うーん、ライノートが住んでいるのはどこだ?」

ドラビットたちに興味津々に見られながら、ゴルダは家らしきものを探して歩き出す。
しかし、歩けど歩けど家らしきものが見当たらない。
あるのは人参畑とドラビットたちだけ。

「こいつらに聞いて通じるはずもないからな」

ドラビットにライノートの家はどこかと聞いたところで、返ってくるのは何を言ってるんだこいつはという、首をかしげる仕草だけだろう。
なので、ゴルダはなおも自力で家を探すことに。
だが、その苦労はすぐに報われることになった。
突然森と人参畑が開けたかと思えば、目の前に洋館が現れたのだ。

「わりとでかいな、この洋館は」

その洋館は何の変哲も無いもので、これといってライノートが住んでいるという確証は見当たらない。
ここで本当にいいのだろうかとゴルダは思ったが、とりあえずは尋ねてみようと洋館の扉を叩く。
すると、トスカとはまた雰囲気も容姿も違う女性が顔を出して

「人間風情がこんなところへ何の用ですか…?」

などとゴルダにこんなところへ訪ねてきた理由を聞いてくる。
一応、この女性もドラビット族ではあるらしいが、足は完全にスカートに隠れていて見えない。

「人間風情…半分は竜なんだかなこれでも」

人間風情と言われたゴルダは、そんなことを女性に返す。
すると女性は

「どちらでも私にはいいことです…それより名はなんと?私はジルハと言います」

名をジルハと名乗り、ぶっきらぼうに頭を下げる。
ゴルダはこれには少し困ったような目線を投げつつも、いつもの調子で両手を前で合わせてお辞儀して

「ゴルダ、ゴルダ=アルカトラスだ」

自らの名も名乗った。
ジルハはそれはさておきと言うと改めてゴルダに

「…それで、何か御用で?」

とまたもぶっきらぼうに聞く。
それにゴルダは、あの手紙を見せて

「ライノートに用事があってな、通してくれるか?」

ライノートに用があるので上がっていいかどうかを聞く。
ジルハは、ゴルダをあまり好ましく思っていない表情をしながら

「…どうぞ、ただし変なことは謹んでください。人間風情にあまり家の中を歩き回られて何かあっても困るので。トスカに案内させるので待ってて下さい」

変なことはするなと言って、トスカを呼んでくるので待っているように言って家の中へ消える。
その間、ゴルダはそこら中に居たドラビットたちに囲まれていた。

「ゴルちゃんいらっしゃーい!」

「うむ、今日はライノートに用がある」

ドラビットたちにじゃあなと言い、ゴルダはトスカと家の中へ。
家の中へ入ってすぐに、この家に住む者たちの肖像画が名前のプレートと共に壁に飾られていた。
その中には、トスカやジルバの他にエフベランカやライノート、そして見知らぬ幼女と名前のプレートが剥がされ、肖像画まで引っぺがされたスペースがあった。

「トスカ、このスペースは?」

「…ゴルちゃん、世の中には知ってはいけない事があるのよ?」

そのスペースに誰の肖像画が飾ってあったのかを聞いた瞬間、トスカは今までに聞いたことがないような口調でゴルダに世の中には知ってはいけない事があると言って咎める。
ゴルダは、トスカの態度の変わりようから絶対にこれには触れられたくないんだなと確信した。

「どうも、ゴルダさん」

「御無沙汰している、アルカトラスから手紙を預かっている」

その後すぐにトスカにライノートの所へ案内されたゴルダは、挨拶もそこそに用件を切り出す。
するとライノートはおやおやという顔をして、その手紙を出すように促す。

「これが爺さんことアルカトラスから預かってる手紙だ」

「どうも」

ライノートはゴルダっから手紙を受け取ると、一文ずつゆっくりと読んだ後にゴルダにこう言った。

「アルカトラス国王さんって、とてもいい方だと思います。こんな風にこちらが出向いてくれた事への御礼までしてくれるなんて」

「その辺はきっちりやるからな」

その後、ゴルダはトスカに引っ張られてライノートの部屋を後にする。
どこへ連れていかれるのかと思えば、そこはエフベランカの部屋だった。

「お前か、よく来たな…世界を越えてここやってきて正解だったな」

ゴルダの姿を見たエフベランカは、早々に駄洒落を披露。
これにゴルダは無反応で、トスカはいつもの調子で

「んもーっ!フーちゃんったら!」

とエフベランカを小突いた。

「来客の脚は雷のように速い…すなわち雷脚」

トスカに小突かれた直後、エフベランカはまた別の駄洒落を言ったが、これは誰も聞いていなかったようだ。

その後、ゴルダは台所へ連れてこられたかと思えばトスカにメモを押し付けられ

「ゴルちゃん、このメモをの食材を食料庫から出して来てもらえる?」

食材を食料庫から出してくるように言われた。
ゴルダがトスカにその食料庫の場所はどこかと聞こうとした時には、トスカは鼻歌混じりに食器の準備中。
これは邪魔できんなと思い、ゴルダは勝手に台所の中を歩き回って食料庫を探す。

「なんだここか」

ちなみに、食料庫は以外と簡単に見つかった。
そして、食料庫の中へ入ったゴルダだが

「見渡すかぎり人参だらけだな、洗ってもいないな」

物干し棒にみっちりと下げられている土付きの人参を見てやれやれという顔をした。
もちろん、人参以外に玉ねぎやなぜか渋柿が干されていたが、ゴルダはこれを気にすら留めずにトスカから渡されたメモに書かれた食材を探す。

「こんなものか」

トスカに言われたものを取ったゴルダは颯爽と食料庫を出る。

「量と力量が試されるのが料理…しまった聞かれていたか」

出てすぐに、エフベランカがまたまた駄洒落を言いながらトスカと準備をしているところにでくわしたゴルダ。
だが、ゴルダは何も言わずに2人の間に割って入って食材を置くと

「これでいいか?」

これでいいのかどうかの確認を取る。

「オッケーよー、そうだゴルちゃん。人参摩り下ろしておいてくれない?人参ケーキ作るから使うの」

トスカはそれに問題ないと返し、ゴルダに人参を摩り下ろすように指示。
ゴルダはそれに頷き、土付きの人参を洗うために流しへ。

「トスカとエフベランカと料理ですか?」

人参を洗っているところへ、唐突にジルハが現れてゴルダにそんなことを聞く。

「ああそうらしい」

「あなたの料理の腕前がどれほどかは分かりませんが、2人にくれぐれも迷惑のないよう…」

そうらしいと答えたゴルダに、ジルハはトスカとエフベランカに迷惑をかけるなと言ってトスカの所へ行ってしまった。
ジルハは相変わらずの態度だが、ゴルダは全く気にしていない。
なぜなら、ジルハよりももっと態度が冷たい者とも関わってきたからである。

「そのなんだ…すまん、ジルハは人間をとてもよろしく思っていないんでな」

「初対面時の目線で察してた。気にするな」

エフベランカにジルハが人間をよろしく思ってないということを謝られ、ゴルダはそれに気にするなと返す。
この時、ゴルダはエフベランカにジルハが人間をよろしく思ってないことを初対面の時の目線で察したと言っていたが、これがどういうことなのかは不明である。

「やはりここの人参はそんなに固くないんだな。手まで摩り下ろしかねん」

「スリが人参を摩り下ろす…」

ゴルダの人参の固さに対する一言に、エフベランカは摩り下ろしに関する駄洒落を言う。
なお、ゴルダはこれに無反応を突き通した。
これにはさすがにエフベランカも

「お前、少しくらい反応してくれてもいいんじゃないのか?」

と苦言を漏らすが、ゴルダは辛口なことを言っていいのか?と返してエフベランカを黙らせた。
その間、トスカはジルハと楽しそうに料理をしていたとか。

「手伝ってしまったのはいいが、俺はただライノートに用があって来ただけであってだな…」

「やだぁーっ!せっかくだから食べて帰るでしょ?」

その後、流れ流れでエフベランカ達と食事の席に着いたゴルダ。
どうやらトスカの策略にまんまと引っ掛かったらしい。

「策士め…」

トスカたちと食事をしながら、ゴルダはそうトスカに対して思ったという。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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