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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

騒がせトリオと不思議系女王

G、ナロニィ、オージェの一行がこの世界に飛ばされてから一週間程が経った。
あの後はシアの計らいでこの国の国王のアルカトラスに会い、元の世界へ帰るまでの間の最低限の衣食住と短期でセイグリッド国籍を与えられた3人。
しかし、衣食住の衣と食はほぼ現物支給で、住は国で管理している空き家。しかもそれ以外は何も無いので、オージェとナロニィはなんだかんだ何処かで小遣い稼ぎをしている。
もちろん、それはアルカトラスからやるなと禁止はされてないからできることだ。

「モンスターに襲われる心配もせずにのほほんと過ごせるのって久々だな」

Gはここへ来て以来、何もせずにぼーっと過ごす日々を送っている。
それにナロニィは何も言わなかったが、オージェだけは

「時にGよ、このまま自堕落な生活をしていたら戻った時に苦労するぞ?私と鍛錬をしよう」

そんなGを見かねて、鍛錬をしようと誘うのだが。

「いいよ、ここで自堕落に過ごしててもすぐ感は戻るさ」

Gはこのような返事を決まって返すだけで、一切鍛錬をしようとしない。
それが何十回と続いたため、ついにはオージェも

「もう私は知らん。Gがそう言うならな」

匙を投げてしまった。
そして、またオージェが小遣い稼ぎのために出かけてしまうと、Gはのんびり窓の外を眺めるのに戻る。
窓の外では様々人が行き交い、それなりの活気に溢れていた。

「あれ?」

数分Gが外を眺めていると、緑の毛の竜に乗った王族正装と思わしきローブを纏った女性が城の方へ歩いていくのを発見。
距離はそれなりに離れているが、ここからでもかなりミステリアスな雰囲気が伺える女性だ。
それ以外にも、緑の毛と青い毛の見たことの無い小さい生物も一緒に乗っているのも見えた。
Gはその一行に何かしらの興味が湧いて来たので

「後を追ってみよう」

その一行の後を追いかけることに。

「ああ、やっぱ城の方行ったな」

そのままGが一行の後を追うと、城の中へと入って行くのが見えた。
そしてGは気付かれないよう、尚も後を追う。
すると、その一行はアルカトラスが仕事をしている書斎ではなく応接間の方へ。

「誰なんだろうな」

Gはここで追跡をやめ、城の中を歩き回る。
普通の城ならば、勝手に城内を歩き回るとたちまち衛兵などに追い回されることになるのだが、この世界の城は特に変なことをしなければ一部の部屋を除いて出入り自由。
なのでGもこうして城の中を歩き回ることができるのだ。
Gが庭園の方まで歩いていくと、ナロニィが自分の鎚を使って水路をせき止めている岩を破壊しているのが見えた。
ナロニィは岩を破壊するのに集中しているためか、こちらには気付いてない。

「やるねえ」

そんなナロニィを横目に、Gは別の場所へ。

再び応接間の前へ戻ってきたGは、少し開いていた扉の隙間から応接間の中を覗く。
中では、アルカトラスとあの王族正装のローブの女性が何かを話している。
その横では緑の毛の竜が緑の毛と青い毛の生物と座り、扉の方を見ていた。
だが、3匹ともGには気付いてないらしい。
もう少しよく見て見ようと開いている扉の隙間に首を突っ込もうとしたところ、反動で扉が開き、Gは前のめりに倒れこんだ。

「やれやれ…」

「どなた?変に魔族の力が抑え込まれてるけど」

アルカトラスが仕事の話をしていたのにと、呆れ顔でGを見ながらそう言うと、王族正装のローブの女性がGを見てどなた?とアルカトラスに聞く。
アルカトラスはその女性にGがこういう者だと説明すると、女性はそうと呟く。

「一応汝には紹介しておこう。ここからそれなりに離れた島国、聖リフィルの女王のアルガティアだ」

「どうも初めまして、Gです」

「こんにちは、アルカトラスに紹介されたとおりよ」

何と無く察しはついていたので、Gはさほど驚くこともなくアルガティアに挨拶する。
普通の王族なら、ここであっさり切り捨てられただろうが、ドランザニアの王族は最低限の礼節を守れば気さくに接する王族ばかりなのである。
最も、それが故に礼節を守らない不届きものには容赦しないのであるが。

「Gよ、今は席を外してくれ。一応仕事の話中なのでな」

「はいはい了解」

アルカトラスに席を外すように言われ、Gは軽く頷いて応接間を出る。

「お、岩砕き終わったのか」

「うん、じーちゃんはなにやってるの?」

再び庭園まで来ると、一仕事終えたナロニィがくつろいでいた。
Gはナロニィに岩砕きは終わったのかと言いながら隣に座る。
その際、遠くでオージェが何かしているのが見えたが、Gは何も言わずにナロニィと話を続けた。

それから10分後。
Gがナロニィと庭園内を歩き回り、色々見て回っていた時のこと。
背後からの謎の気配で身構えるG。
だがそれがすぐにオージェだと分かると身構えを解除した。

「鍛錬はしないのにナロニィとは遊ぶのだなGよ」

「何よ、いいじゃない」

「まあまあ」

オージェの一言で、またもやナロニィが食ってかかったのでGはそれを制そうとしたが

「あーんもう我慢なんない、一回黙らせる!」

「ほう、やるのか?私に連敗中のお前が?」

結局制せずじまいかつ今度は止められる者も居ないので、ナロニィとオージェは完全に決闘体制になってしまう。
これには思わずはわわと、Gはとばっちりを食らわない所へ逃げる。
そして、ナロニィがオージェに鎚を振り下ろしにかかったところで完全に決闘が始まってしまった。

「てい!」

「甘いな」

地面を穴だらけにしながらやり合うオージェとナロニィを、周辺に居たものたちは被害が及ばないところから観戦。
戦況は互いに譲らずといったところだろうか。

「やっべえ、これ絶対アルカトラスに怒られる」

手頃な柱の影から2人の様子を見ていたGはそう呟く。
いくら紳士的で寛容なアルカトラスでも、庭園ここまで荒らされたら何も言わないはずがない。
そればかりを気にかけてGはどうしようか策を練る。

「お困り?」

ふと後ろから声をかけられ、Gが振り向くとそこにはアルガティア一行が居た。
どうやらアルカトラスとの話は終わったらしい。

「あの2人、止め切れる?」

Gはやり合うナロニィとオージェを指差し、アルガティアに言う。
アルガティアは数秒の沈黙の後に頷き、緑の毛の生物を2人の方へけしかける。

「さっきのはイファルシア。草のカーバンクルよ」

「へえー」

ややめんどくさそうにしているイファルシアを見ながら、Gはどうなるのかと気になっていた。
するとイファルシアはスッとオージェの背後を取ると、蔦を出して両手拘束すると

「はいはいそこまで、これ以上庭園荒らしちゃダメ」

と言う。
そしてそこへナロニィの振り下ろした一撃がヒットして勝負は付いた。

それから2時間後。
アルガティアがナロニィとオージェに名乗ったり、イファルシア達を紹介したり、イファルシアがナロニィとオージェに荒らした庭園の修復をエゼラルドと共にやらせたりして今に至る。
ナロニィはイファルシア、フィルス、エゼラルドを見てかわいいと目を輝かせていたが、イファルシアからの印象はあまり良くなかった。
それもそのはず、オージェと決闘して庭園を穴だらけにした上に、植え込みの植物まで荒らしてしまったからだ。
それでも、一生懸命修復していたためか時間が経つにつれてイファルシアからの印象は改善されて行った。

「何か引っかかる」

「え?何ですか?」

また一息ついていると、アルガティアが気になる一言を言ったのでGはえ?と返す。
アルガティアは紅茶のカップを置くと、Gにこう言う。

「それだけ強力な封印をかけられていて、何も支障がないのが引っかかるの。記憶抜けは除外するにしても」

封印と聞いて、Gはぽかんとする。
なぜならば、Gには封印に関する記憶まできれいさっぱり抜けているからだ。
それを聞いたオージェは、どういうことだとアルガティアに前のめりになって聞くも、エゼラルドに頭突きをされる感じで制された。

「言わない方がいいことがあるし、知らない方がいいこともある。必ずしも真実を知るのがいいとは限らない」

一方、ナロニィはイファルシアにフィルスと遊んでいるのでこちら側の話は耳に入っていない。
アルガティアの必ずしも真実を知ることがいいとは限らないという話を聞いて、エゼラルドに頭突きをされる感じで制されていたオージェは

「それは主観だろう?私はどんなリスクがあろうがGに関する真実は知りたい。何が分かった?」

どんなリスクがあろうがGに関する真実は知りたいと言い、何が分かったのかと聞く。
アルガティアはそれに対しては

「相当強力な封印をされていることくらいしか分からない。それ以上探ろうとすると多分Gの命に関わる。この手の封印はそれなりの防衛機能がついてる」

相当強力な封印がされていることしか分からないと話す。
オージェは、それなりの防衛機能という言葉に反応して

「それはどういうものだ?私とて魔法を使うので気になる」

それがどういうものなのかを聞く。
それに対してアルガティアは、エゼラルドの毛を撫でながらこう答える。

「簡単に言うと、封印をかけた者以外が封印を探ったり解除しようとしたら被封印者の脳が焼かれる。封印により記憶抜けが生じている場合はほぼ確実に」

完全にほっぽり出されていたGがここで

「よく分かんねえけど、俺はこのままの方がいい気がするな。アルガティアの言うとおり、知らない方がいいのかも知れない」

自分はこのままでいいときっぱり言う。
それに対しオージェはそれはならん云々と反論するも、アルガティアに

「他者との関わりで重要なことの一つに、自分の価値観を相手には押し付けないというのがある。あなたはそれを守ってる?」

などと言われ、オージェは何も言い返せず悔しげに黙り込む。
ここまで来て、なおもナロニィはフィルスとイファルシアと遊んでいて、こちらとは別世界を作り出していた。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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