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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

星を見る

ある晴れた夜のシアの塔。
そこでエシュフィルトとシアが星を観察していた。
なぜ星なんかをと思うかもしれないが、時折今までは見えなかった星が見えたり、逆に今まで見えていた星が見えなくなったりすることがある。
これは、今までに繋がったことのない世界とこの世界がリンクされた時や、リンクしていた世界が一方的にリンクを解除、あるいは世界が崩壊したなどといった事が起きたから生じる現象である。

「うーん、特に変化無しかしら?」

自分の大きさに合わせて作られた望遠鏡で星を見ながらシアがそう呟く。
その横では、エシュフィルトが自分より一回り大きい本を広げて記録を担当している。
なお、エシュフィルトがここへ来る前は、シアが自分で片手間に魔法で記録していたのだという。
一体どういう感じで書いていたのかと想像したエシュフィルトだが、一切この本を見ずに望遠鏡だけを覗いているシアの姿しか浮かばなかったので、そこで想像するのをやめた。

「えーっと、ちょっと記録してもらえる?」

その直後、シアからいきなり記録してと言われ、エシュフィルトはインクの要らない羽ペンを構える。
そして次の瞬間、シアが早口で消えている星を伝えたのでエシュフィルトはそれを別の紙に速記。
次にシアはまた早口で昨日まで無かった星を伝える。
これもエシュフィルトは同じ紙に速記した。
無論、速記してはいお終いではない。
これをちゃんとした文にしてまた本に記録しなければならないのだ。

「消えてた星が12、新たに出現した星が20…」

正確に記録しないと後々面倒なことになるので、エシュフィルトは本に記録した全ての星に間違いがないかを確認。
自分の目で間違いがないと判断したら、今度はシアによる第三者チェック。
自分では正確に記録したつもりでも、他者が見たら間違っていたというのはよくある話である。
シアのチェックの結果は、問題ないとのことだった。

「一つ気になるんですけど、パラレルワールドが出来た時って星増えるんです?」

本と望遠鏡を片付けるシアに、エシュフィルトはふとした疑問を投げつける。
それは、パラレルワールドが増えると星も増えるのかというもの。
シアはこの問いに次のように即答。

「よっぽどの事由がないと増えないわ、その世界の存続かなんかに関わるとかのレベルじゃないと」

それにエシュフィルトはふーんとあまり納得がいかないような返事を返す。
さらにエシュフィルトはこんなことも聞く。

「このリンクしている世界を表す星って、数に限界値はあるのかな?あと明るさが違うのはなんで?」

シアは限界値という言葉に少し困りながらも、次の返事を返す。

「私も限界値は知らないけどあるみたいよ?賢竜が理論的な限界値出してるけど、兆以上だったしら。それから、明るさが違うのはどれくらい繋がりが強いかや繋がっている期間が長いかでも変わるわ。地球を示してる星なんて月ぐらいの明るさはあるし」

エシュフィルトは地球を示す星が月ぐらいに明るいと聞いて、試しにその星を探してみた。
すると、月から少し離れたところに同じくらい明るい星が数個あるのが見えた。

「そうそう、あの星々よ。なんで数個あるのかは私も分からないけど」

なんで数個あるのか分からないと言ったシアに、エシュフィルトはなんで分からないの?と揺さぶりをかけようとするも自制。
その後もいくつか月並みとまではいかないものの、それなりに明るい星を見つけてはあれは何あれはこれといった感じでシアとエシュフィルトは遊んでいたという。

そしてそんな中、いきなり一瞬強く輝いたかと思えば、次の瞬間には消えていた星をエシュフィルトがたまたま見つけてシアに言うと

「ああ、星が爆発したってことは世界がまた一つ崩壊したのね」

あまり気に留める様子がない口調でそう呟いた。
エシュフィルトはそんなに気に留めないのねと言うと、シアはそれにいちいち憂いていても仕方ないでしょうと返す。

「ドライな時はドライなのねシア様って」

「そうでもしないと精神面で持たないわ」

ドライな時はドライなのねとエシュフィルトに断言されたシアは、そうでもしないと精神が持たないと返す。
そんな風に返されたエシュフィルトは、シア様ってやっぱり時々よく分からなかったり理解できないところがあるわと言った。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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