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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

ルナリアクラフト

ある日、ゴルダが先月の出費をパソコンで計算している時だった。

「ん?電気代が先月の倍近いな、どういうことだ?」

そこまで使った覚えは無いのに、電気代は先月の倍近く。
おかしいと思い、先月分の電気代の明細を見たところ

「契約容量が引き上げられてるからこんなに上がってんのか、しかし誰…あいつしかいないな」

契約容量が大幅に引き上げられていたので、基本料金も上がって電気代が高くなっていたのだ。
そして、こんなことをするのはただ1人。
ゴルダはやれやれと自室を出て最近増築した軽トラ用の車庫へ。
車庫には、軽トラだけではなく様々な工具が置かれている。
その中には溶接機などもあり、自動車修理工場さながらの設備がそろっている。
無論、これはゴルダだけが使っているものではない。
奥の作業台では、ルナリアが工具をあちらこちらに散らかし、がらくたから使えそうな部品を取り出している。
ゴルダとの契約により、機械をいじったりする知識や技術も備わっているのでこんな芸当も出来るのだ。

「おい」

「あ、おにーたん。高圧コンデンサ注文してくれた?」

やや呆れ口調でルナリアに話しかけると、高圧コンデンサを注文したかどうかとルナリアに聞かれた。
ちなみに、ルナリアは現在魔法式ではない電気式のレールガンを作ろうとしている。
ゴルダはそれに一応なと答え、先月の電気代の明細をルナリアに押し付け

「困るのは俺だぞルナリア。確かに容量は上げようと思ってたが俺に断りもなしに上げるのはいただけんな」

「いいじゃないー、どうせ使うんだし」

勝手に契約容量を上げるなと言ったが、ルナリアはいいじゃないと開き直る。
ゴルダはルナリアに開き直られ、余計呆れた顔で

「…もういい、とにかく今後は俺に一度相談しろ。いいな?」

「うんー」

今後は自分に一度相談するよう言って車庫を離れた。

「全く、闞沢に財産あるとはいえだな」

ルナリアに聞こえないところで呟きながら、ゴルダはずっと台所で洗い物をしているラトレナスの所へ。
ラトレナスの方は、ルナリアほど使うことはないが、時折かなり高い食材を買うことはある。
だがそれも本当に時折で、しょっちゅうというわけではない。

「これ砥いで」

背後から気配を消して近寄ったゴルダに、ラトレナスは包丁を3本渡して来た。
ゴルダはそれを取り、どこからか砥石を出してそれを研ぎ始める。
この3本は、ラトレナスがゴルダのいつも使っている包丁が合わないと言ったので新たに購入したもの。
ラトレナス用にと買ったが、ゴルダも使いやすいので最近はもっぱらこっちを使っている。

「こんなものか」

砥いだ包丁をラトレナスに返し、ゴルダはまた自室へ。
先月の出費の計算を再開したのであった。

それから1時間くらいが経過した頃。
車庫の方から溶接機を使う音やそれ以外の工具を動かす音が頻繁に聞こえてくるようになった。
最初こそは何も気にしなかったが、アルガントがうるさくてゲームが出来ないと言って来たので、ゴルダは車庫の方へ。

「おにーたん、見て見て。小型テスラコイル作ったよ」

何をしているのかと思えば、ルナリアはテスラコイルと呼ばれるとんでもないコイルを作り出していたのだ。
だが、それだけでは無い様子。
ルナリアが次に出したのは、足が異様に太くなったゴルダの片手ほどはあるコンデンサ。

「なんだこれは?」

「知りたいー?小型高圧コンデンサ」

ゴルダはこれら二つの部品から、ルナリアが今から何を作ろうとしているのかを察した。
そう、小型のレールガンだ。

「お前は作ったレールガンをどこに装備するつもりだ?」

「あれー」

作ったレールガンをどこに装備するのかと聞いたところ、ルナリアはゴルダの軽トラを指す。
さすがのゴルダもこれには頭が痛くなったのか

「やめておけ、そんな危なっかしいもの装備しないといけない場所へはこれでは行かん」

やめておけの所を妙に強調し、それほどの装備をしないといけない場所へはこれでは行かないと言い切る。
だがルナリアは、備えあれば憂いなしと言って譲ろうとしない。
最終的には、簡単に着脱可能にしろというのを絶対条件にゴルダの方が妥協。

「あいつのクラフトは何を生み出すかが分からんのが恐ろしいところだ」

意気揚々とレールガンを作っているルナリアを見ながら、ゴルダはそう呟いた。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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