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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

アルガントと風邪薬

「くしっ」

「ん?」

それは、アルガントがいつもとは違ったくしゃみをしたことが始まりだった。
ゴルダは何だと思い、とりあえずいつも通りに診察してみることに。
すると

「これは…風邪か」

アルガントはどうやら風邪をひいているようであった。
しかし、うつるタイプの風邪ではないようなのでゴルダはとりあえず風邪薬を調合するために隠し地下室へ向かう。
その際にアルガントはゴルダに側に居ろと要求するが、ゴルダは断固拒否。
そのまま隠し地下室へ行って材料を用意して、風邪薬の調合を開始。

「げっ、材料が足りねえな」

隠し地下室でアルガント用に風邪薬を調合していたゴルダだが、とある材料が足りないことに気付く。
その材料とは、アルカトラスやシアと言った聖竜の角の粉末。
無論、滅多に手に入るような代物ではないが風邪薬などに使えば1日で完治するようなもの。
だが一々もらいに行くわけにもいかないので、それなしで調合を続ける。

「闇竜な以上、調合法には注意だな」

ゴルダがそう呟いたように、闇竜に対しての薬調合は細心の注意が必要である。
なぜならば、闇竜は調合法によっては血中毒で薬の成分がかき消されてしまうこともあるからだ。
何気にゴルダはそういう事例を経験しているので、大丈夫ではあるようだが。

「これで出来上がりか」

調合し終えた薬を持ち、ゴルダはアルガントの所へ。
アルガントはやはりゴルダに抱きつこうとしたが、風邪だからダメだとゴルダは押しのけて無理矢理薬を飲ませようとする。

「むぐぐー」

「ほら飲め」

まるで子供のように薬を飲むことを拒否するアルガントに、医者として何としてでも飲ませようとするゴルダ。
それでもアルガントは、鍵をかけた門扉のように口を開けようとしない。
手段を間違えれば、アルガントに呪詛混じりで泣かれかねないのでその辺りは要注意である。

「治るもんも治らんぞ」

「やだー」

なおも飲むことを拒否するアルガントに、ゴルダはもう知らんと部屋を出て扉に外から鍵をかけた。
一方アルガントは、これで飲まなくて済むと胸を撫で下ろす。

「困ったもんだ」

アルガントをほったらかしにしたゴルダは、コーヒー片手に休憩中。
あと10分くらいほったらかしにした後で、またリベンジする気では居るようだが。
アルガントのような子供の竜を診た例はゴルダにはさほどなく、どちらかと言えば内科や外科系が多かった。

「子供ってのはなかなか扱いが難しい」

カップを空にしながらゴルダはそう呟き、リベンジのために自室の鍵を開けて中へ。
アルガントはベッドの中に潜り込んでいるのか、一見しただけでは姿は確認できない。
シーツを引っぺがすと、アルガントは無駄だよ?と言う顔をしながら丸まっていた。
だが、今度のゴルダはチャンスを逃さない。
アルガントが欠伸をした瞬間を見計らい、その口の中へ指を突っ込んで閉じれないようにしてから薬を流し込む。

「うげぇ…」

相当苦かったのか、アルガントは嫌そうな顔でゴルダを見ていたが、水をもらうやいつもの表情へ戻る。
それを見たゴルダは、これでいいとアルガントを寝かせて部屋を出た。
無論、安静にして寝てろと言いつけて。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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