FC2ブログ

氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

輝星とアルガティアたち-思わぬ初対面

今日も輝星はセイグリッドへやって来ていた。
しかし、今日は特に何か用事があるわけでもなくただ遊びに来ただけのようだ。
いつものように城の本館の方へ行くが、今日は事前に来るとは言ってないのでサフィは居ない。

「ああそっか、今日は行くよとは伝えてなかったからかあ」

サフィが居なくてもまあいいやと、輝星は普通に本館から別の場所へ移る。
やましいことをしなければ、城のほとんどの場所への出入りは一般市民にも許可されているので、よっぽどのことがなければ警備兵に呼び止められたりすることはない。

「アルカトラス様、ここに居るかな?」

と言って、輝星はいつもの調子で書斎へと入った。
しかし、そこにアルカトラスの姿はなく、代わりに

「こんにちは、初めましてかな?僕はエゼラルド」

見慣れない緑毛の竜と同じ毛色の額に石を宿した謎の生物に同じく謎の青い毛の額に石を宿した生物が居た。
挨拶をして来たのは緑毛の竜の方で、名をエゼラルドと言うらしい。
なお、謎の2人の生物は輝星を誰?とじっと見ている。

「こんにちは、ぼくは輝星。アルカトラス様は?」

一応の礼儀として、輝星もエゼラルドに挨拶を返してからアルカトラスはどこかと聞く。
するとエゼラルドは首を横へ振って

「今はアルと話し中だよ」

誰かの名前らしき一言と共に、今は話し中だと返した。
輝星は、アルって誰?と試しにエゼラルドに聞く。
しかしエゼラルドは

「もうすぐ戻って来るだろうから、会ってみた方が早いと思うよ」

と言って誰とは教えてくれなかった。
輝星は変なのと思いつつも

「その2人の名前は?さっきからすっごーく気になったてたんだけど。ねえねえ教えて?」

今だに誰?と自分を見ている謎の2人の生物のことをエゼラルドに教えてと頼む。
エゼラルドはそれに頷くと

「いいよ、緑毛の方は草のカーバンクルのイファルシア、属性的には僕と同じだね。青い毛の方はアルカトラスの血が入ってるけどカーバンクルのフィルスだよ」

それぞれ2人を紹介した。
輝星は、イファルシアとフィルスにももう一度挨拶をしてからアルカトラスが来るのを待った。

それから30分後。
暇を持て余している輝星にイファルシアは

「あんた、前に会った緑雲と花吹ってのと匂いが似てるけど。知り合い?あるいは同じような世界出身?」

輝星から漂う匂いが、緑雲と花吹に似ているので知り合いか同じような世界出身かを聞く。
それに対して輝星はゆっくりと頷いて

「知り合いと言えばそうだよ、緑雲と花吹ともぼくは仲がいいんだ」

と答える。
イファルシアはそれに対してそうなのねと一言言って輝星の頭の上に乗る。

「わあ、すっごくいい香りする」

頭の上に乗られ、そこから漂う匂いで輝星は若干興奮気味だ。
しかし、匂いを出しているのはイファルシアだけではないらしく、エゼラルドの方も柑橘類の匂いを少なからず出している様子。
イファルシアが出している匂いは、どうやらハーブ系統の物らしい。

「落ち着くなあ」

2つの匂いのせいで、輝星が骨抜き気味になっていると書斎の扉が開く音が聞こえた。
その直後にアルカトラスの声と、それとは別のサフィではない女性の声もした。
誰だろうと、輝星はイファルシアを頭から落とさないようエゼラルドの横腹辺りに隠れて様子を見る。

「杞憂になることは無かろう、万が一には我というカード切ればいい話だ」

「それだと地球の大国と同じ、譲らないところは絶対に譲らないつもり」

「ふうむ、どうするかは汝次第だ。最適解を見つけるが良い」

輝星がエゼラルドの横腹からそっと顔を覗かせて見たところ、そこには王族の正装と思わしきローブを身に纏った黒髪で緑目の女性がアルカトラスと話をしていた。
それを見た輝星は、とても綺麗な人だなと思いながらも顔を引っ込める。
その女性は、まだ輝星には気づいていないようであったが、このままではいつかは気付かれる。

「よーし、こうなったら」

ここで何を考えたのか、輝星はエゼラルドの毛の奥深くへと隠れようとした。
だがしかし

「イファルシア、そこに居たの」

あの女性が輝星の頭に乗っていたイファルシアに声を掛けたのだ。
なぜか見つかることに動揺を隠しきれない輝星は、どうしようかとあたふたする。
そして、何者かに肩を叩かれて輝星がゆっくり振り向くとそこには

「こんにちは?」

あの女性がしゃがんで話しかけて来ていたのであった。
それに輝星は完全に混乱して支離滅裂なことを言うが

「大丈夫、アルカトラスの知り合いでしょ?とりあえずは落ち着いて」

落ち着くように言われ、数分かけてなんとか落ち着きを取り戻す。
そして輝星は、自分からせねばと

「ど、どうも初めまして。ぼく次光竜王の輝星です」

その女性に挨拶する。
女性は表情こそは無表情だが、穏やかな目で

「現、聖リフィル王国女王のアルガティアよ。こちらこそよろしく」

自らの名をアルガティアと名乗り、挨拶を返す。
そしてそれを見ていたアルカトラスは

「あまり感心せぬ行為ではあるが、大目に見よう。次からはなるべく事前の連絡無しに来たらサフィに言って置くように。我も困る」

今度から事前の連絡無しで着たらサフィに一言言うようにと言ってその場に座る。
とりあえず事なきを得た輝星はほっとしてエゼラルドの横腹へもたれ掛かった。
その衝撃で、イファルシアが飛ばされたが本人は浮遊していたので問題はなかった様子。

「どうやら今日は何かをもらいに来たなどの用事で来たわけではなさそうだな、遊びに来たのか?」

「うん、用事なく来てみたいなって思って」

アルカトラスに用事ではなく遊びに来たのか聞かれ、輝星はそうだと答えた。
その返事を聞いて、アルガティアはこんなことを言う。

「暇つぶしの相手には困らなさそうね」

それに対してアルカトラスは

「我とて年中暇ではないがな」

と返した。
そして、今の今まで沈黙を守っていたフィルスが輝星に

「輝星は心が純粋すぎて光の属性との相性が良すぎるってレベルじゃないね。ちなみに属性ってのは特性や性格なんかでも相性が変わってくるよ」

心が純粋すぎるので光との相性が良いというレベルではないと言う。
フィルスが言うように、属性には使う者の性格や特性などでも大分相性が変わってくるのだ。
たとえば、前述したように光は光が純粋なほど相性は良くなる傾向にある。
エゼラルドやイファルシアのような草の属性は、自然を大事にし、かつ自然の中で暮らしていた者ほど相性は良くなるのだ。

「アルガティアという例外もごく稀に居るけどね。あそこまで精神が混沌としているのにこの世界の属性全てとそこそこの相性があるよ」

フィルスの話を黙って聞いていた輝星は、聞き終わってすごいやという顔をする。

その後、輝星はアルガティア達と様々な話をして満足して帰ったとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

小説(交流) |
| HOME |