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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

緑雲と花吹の奇妙な植物持ち帰り計画

それはある日の風竜宮。
花吹は呼んだ緑雲にこんなことを言う。

「ドランザニアにちょっと行かない?」

「なんでまた?アルカトラス様でもからかって遊んで来るのか?」

ドランザニアに行かないかという花吹に、緑雲はアルカトラスでもからかって遊んで来るのかと冗談で返す。
それに花吹は冗談にも限度があると言い放ち、緑雲に

「ドランザニア特有の植物がここでも育つか気になったのよ、だからちょっと貰ってこようかななんて」

ドランザニアの植物がここでも育つか気になるので貰いに行きたいと具体的な理由を話す。
緑雲はそりゃ育つだろと言いたげな顔をしながらも

「じゃあ行く?どのみち暇だしさ」

と花吹に言って、ドランザニアへ2人で行くことにした。

そのころ、ドランザニアのセイグリッドのアルカトラスはというと

「これはもうできた、次を」

何事もなく国務をこなしていた。
しかし、ある程度終わらせたところでサフィに

「エゼラルドとイファルシアをここに呼んではくれぬか?」

どうにも引っかかることがあるような口調でエゼラルドとイファルシアを呼ぶように言う。
サフィはそれに変なのと言った感じで了承し、その場を去る。
その1時間ほど後に、エゼラルドとイファルシアはやって来た。

「何か御用で?」

アルカトラスに小さい岩ほどもあるオレンジを生成して渡しながらエゼラルドは聞く。
しかしアルカトラスは何も言わずにそのオレンジを受け取り、食べるだけで何も言わない。
何なのよとむすっとしているイファルシアに、エゼラルドは

「無理に聞き出そうとしてもダメだよ」

と言って諭す。

そのころ、緑雲と花吹はというと

「やっと来れたよ」

「誰かさんの支度が早く終わってたらもっと早く来れたのに」

一応セイグリッドへ来てはいたのだが、どうやら緑雲の準備のせいで予定より遅くなったようである。
それでも目的があるので、城の方へと向かう。

「アルカトラスの察しの通りかしら?こっちよ」

案の定サフィが入ってすぐの所で待っていたので、緑雲と花吹はアルカトラスの所へ。
しかし、今日居たのはアルカトラスだけではなかった。
緑毛の竜の方はまだなんとなく分かるのだが、その頭の上に乗っている額にエメラルドっぽい石を持った謎の生物の方は、緑雲にも花吹にも何なのかが分からない。

「初めまして、かな?僕はエゼラルド、こっちはカーバンクルのイファルシア」

緑毛の竜の方が、自分の頭の上に乗っている生物の紹介ついでに名乗ってきたので、緑雲と花吹も同様に名乗り返して挨拶した。
アルカトラスは目的はこの者らだろうと、どこ吹く風で軽く会釈したきりだった。

「えーっと、そのイファルシアって子がカーバンクルっての?」

確認するように聞く花吹に、エゼラルドはそうだよと頷く。
なお、イファルシアというカーバンクルは、2人をさほど興味を持っていない目で見ていた。
それに緑雲は

「綺麗だねその額の石、本物のエメラルド?」

と言って、イファルシアの額に手を伸ばして触る。
額を触られたイファルシアは、何するのよと言って緑雲の手を蔦で横へ退けた。
それを見かねたのか、ずっと入り口で待機していたサフィは緑雲にこう言う。

「カーバンクルの額の石は触っちゃダメよ、一番敏感で他者からの干渉を受けやすい部分だから」

それを聞いた緑雲はそうなんですかと言って、イファルシアにこれは失礼と謝る。
イファルシアはもう触らないでよねと返し、緑雲と花吹に何かを渡す。
それは、一見するとさくらんぼのようにも見えるが、さくらんぼにしてはあまりにも黄色い。

「毒じゃないから大丈夫よ、お近づきの印に私からプレゼント。私の能力は植物関係全般の生成、エゼラルドも似たような感じ」

毒ではないと言われ、その黄色いさくらんぼを口に入れる緑雲と花吹。
数十秒後、2人から返ってきた反応はというと、緑雲が

「酸っぱい」

というので、花吹は

「さくらんぼとは思えないくらい甘いわ」

というものだった。
両者の反応がそれぞれ違ったのを見て、イファルシアはどういうわけかを説明。

「このさくらんぼはね、見た時の先入観によって味が違ってくるの。黄色いから酸っぱそうと思って食べればそうなるし、そうじゃなければそれ以外の味になるわ」

花吹は変なさくらんぼですねえと感心したのに対し、緑雲は相当酸っぱかったのか、口をすぼめている。

すると今度はエゼラルドがとても大きなみかんを出した。
大きさ的には、イファルシアと同じくらいはある。
ちなみにこのみかんは、現実世界の日本のある場所で栽培されているみかんを、異常なまでに大きくしたもののようだ。
それをエゼラルドは蔦で器用に皮をむいて食べないかと緑雲と花吹に差し出す。

「少し大きすぎますね、でもおいしそう」

花吹は、もらった1つをさらに半分にして一方を緑雲に渡す。
緑雲は今度は酸っぱくないだろうな?という顔で花吹を見てそのみかんを食べる。
噛むたびに口直しには十二分な甘さが口の中に広がり、緑雲はほんわかした気分になった。

「あっそうだ、本来の目的を忘れてた。あなた達この世界の植物が生成できるなら、この世界原産で他の世界でも育ちそうな植物ってない?」

もらったみかんを食べ終え、本来の目的を思い出した花吹はエゼラルドとイファルシアに他の世界でも育ちそうなこの世界産の植物はないかと聞く。
エゼラルドは少し考えた後にイファルシアと何かを話すと、どこからか一見普通の桜の苗を出す。

「何かな、この苗は?」

緑雲に聞かれ、イファルシアは

「この世界で一番巨大な樹木の万年桜の苗よ、相当な年月をかければとんでもない大きさになるわ」

この苗が万年桜のものであることを説明。
万年桜と聞いてピンと来たのか、花吹はイファルシアに

「この城から見える大きさな桜ですね、万年桜は?」

と聞く。
それにイファルシアはそうよと頷いた。
すると花吹は

「じゃあ、この世界よりも大きくしないとね。この万年桜」

と言うと緑雲にもう帰るとアルカトラスを含めた4人にさようならと挨拶して帰って行った。

そして、帰った後の風竜宮では

「よいしょ、よいしょ」

花吹がひたすら1人で万年桜の苗植え作業をしていたという。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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