FC2ブログ

氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

蒸し暑い夜の仕事

ある初夏の蒸し暑い夜、フィルスは書斎でアルガティアに頼まれていた仕事を終わらせようと自分が生成した氷の上に座ってひたすら書類を片付けていた。
ちなみに頼まれていた仕事とは、新た認可することになった竜牧場の許可証への署名。
フィルスは他人の書き方をそっくりそのまま真似できる魔法を覚えているので、アルガティアがサインなどをすべき書類も片付ける事が可能なのだ。

「暑いなあ」

氷に座っているので、いくらかはましだったがそれでも暑いものは暑い。
さっさと終わらせようとフィルスは羽ペンを動かす。
イファルシアはエゼラルドのところへ、アルガティアは風呂。時雨はいつもの散歩という名の徘徊をしているので書斎はフィルスただ1人。
1人なので大分気楽にできるのだが、ミスると後々アルガティアにチェックされた時に面倒なことになるのでその辺は注意しなければならないが。

「だけどこの竜牧場の許可証、見てたら新規と拡張の2種あるな」

何気なく署名していたフィルスは、許可証の部類が新規と拡張のに2種あることに気付く。
この聖リフィルで新たに牧場を開く者は、そうそう居ない。
なぜならば、ほとんどの牧場は一族代々継いでいるところが多いからだ。
その上、新規で牧場を開拓しようものならば相当数の書類を出して全てに許可をもらわないといけないのでとても面倒。
しかし、自然が他の国と比べてずば抜けて多いので魅力的と言えばそうである。

「おっと、早く終わらせないと」

ここでフィルスは本来の仕事を思い出し、再び羽ペンを動かす。
そしてようやく全ての許可証に署名を終え、氷を消そうとしたところにアルガティアが戻って来て

「悪いけどもう少し頼める?明日必要なの」

と追加でサインをする書類を追加。
フィルスはえーという顔をしたが、頼まれたからにはやらねばと頷いて了承。
アルガティアはお願いねと言うと書斎を出て行った。

「うーん」

書類を片付けるのは難しくはないのだが、追加された量が異常に多いのでフィルスは少々悩んでいた。
なぜなら、あと1時間ほどで寝る時間になってしまうからだ。
それまでに終わればいいのだが、とてもではないが終わりそうにない。

「やるしかないよね」

フィルスは羽ペンを握ってサインを続ける。

それから30分経っただろうか。
うとうとして来たフィルスはこれはいかんと羽ペンを動かす手を早める。
しかしそれでもこっくり来るので、どうしようかと考えた結果が

「この手があったや」

サインをそっくりそのままコピーするというやり方をしてとっとと終わらせた。
見た目は全く直筆サインと同じなので、アルガティアが目くじらを立てない限りは大丈夫である。

「寝よ」

そしてフィルスはそのままアルガティアの部屋へ行って寝たとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

小説(一次) |
| HOME |