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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

向日葵を植えよう

春が終わり、初夏の天気がちらほらと見えるようになってきたリフィル城の庭園。
その庭園の空っぽの花壇の前で、イファルシアとエゼラルドが何かの種袋を引っ張り出してきてどう植えようかと話していた。
その頭上では、時雨がその種袋の中身の種をよだれを垂らしながら見ている。
ちなみに、この種袋の中身は何かというと向日葵の種だ。
イファルシアが来る前から、エゼラルドは庭園に四季折々の花を植えたりするのを楽しみとしていた。

そして今日は、イファルシアと夏の花を植える日。
今までは、自分では痒い所に手が届かないところをイレーヌに手伝ってもらったりしていたエゼラルド。
しかし、イファルシアという自分と同じ属性かつ知識に技術を持つ者が来てからというもの、エゼラルドのこういった作業はとても楽になった。
無論、イレーヌを除け者にしたわけではない。
イファルシアが居ても手が足りないこともある上に、何よりイファルシアもイレーヌとこういった事をするのが好きだったりする。

「一面向日葵にしたら逆に見映えが悪そうねえ」

「昔はみっちり植えてたけど、どうということはなかったよ」

蔦で蝿を追い払うように時雨を追い払いながら、イファルシアはエゼラルドと話を続ける。
今話しているのは、この空いている花壇にみっちり植えるのか否かというもの。
イファルシアはみっちり植えると見映えが悪そうと言い、エゼラルドはそうでもないと言っている。

「とりあえず、みっちり植えてみましょ」

「そうだね」

と言って、2人は向日葵の種を植えるために花壇を耕して一応肥料を入れ始めたのだが、時雨が隙を伺って種を食べようとしているので気が気ではなかった。
だがしかし、そこへ畑仕事の服装のイレーヌがやって来て

「だーめ」

時雨が種を食べないように見張り始めてしまった。
イレーヌに種を見張られ、時雨はちぇっという顔でアルガティアの所へ戻って行った。

「こんなものかしらね」

開始から約1時間。
一通り耕して肥料も入れ終わり、ようやく種蒔きを開始。
時雨は居ないので、さっさと終わらせようとイレーヌも加わって3人で種蒔きをする。

「でも、向日葵の種っていいスナック菓子にでもなるのよね」

そんなイファルシアの一言に、エゼラルドは

「ダメだよ」

ときっぱりと言って聞かせる。
イファルシアはそれに分かってるわよと返して種蒔きを続けた。
花壇はそれほど広くなかったので、2時間くらいで種蒔きは終了。

「ちゃんと育つといいわね」

と言ったイレーヌにエゼラルドとイファルシアは

「そうだね」

「育つでしょ」

とそれぞれ返す。
しかしそこへ、蒔いて早々に種を狙う鳥が飛んできたのだ。
それを見て、エゼラルドは鳥達に

「ここの種はダメだよ、代わりにこれあげるから」

と言って別の種を生成して食べさせる。
鳥達は、エゼラルドの言っている事を理解したのか生成したその種をつつき始めた。
それを見てイファルシアは

「あいつもやり手ねえ」

と呟く。
一方イレーヌは、空になった種袋を片付けてそれを静観。
特に何も言わなかった。

そして最後に、イレーヌが

「向日葵」

と書かれた看板を立てて種蒔きはこれで完全に終了。
その様子を影で見ていた時雨は、植えた種をほじくり返そうとしたが

「あん、何してんのよ?」

イファルシアに見つかって失敗して諦めたという。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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