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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

サマカンドラとアルカトラス-書類処理の手伝い

風が強く、雨もそれなりに降っている昼前。
新年度も始まり、忙しさも以前通りに戻ったアルカトラスはサマカンドラをヘルプにして書類の片付けなどに追われていた。
だが、書類の片付けはほとんどサマカンドラが行ない、アルカトラスのサインが必要なものなどはアルカトラス自身が片付けるなど、役割分担は出来ている。
サマカンドラが欠けて、メイドの方の仕事は大丈夫なのかと言うと、問題はない。
なぜなら、新年度に入る前にアルカトラスが新たに3人ほど雇い入れたからだ。

「すまぬな、この山の書類だけは今日中に片付けないといかんのだ」

「大丈夫、この手の仕事も慣れてるから」

アルカトラスに謝られたサマカンドラは、大丈夫だと答えた。
サマカンドラは前に居た世界では、メイドの仕事の他にこのような事務的な仕事もそれなりにこなしていたこともあった。
その経験が、今このようにして生かされている。

「これは終わったわ」

「ではこの調子で残りもお願いします、陛下がサボらないようにもさせてくださいね?」

側近に片付け終えた書類を渡すサマカンドラ。
書類を受け取った側近は、アルカトラスがサボらないようにもさせるよう言って書斎を出る。
ここで、サマカンドラはアルカトラスの方を見た。
アルカトラスは、サマカンドラが居るせいか尻尾をパタパタさせながら自分がサインをする必要がある書類に黙々とサインをしている。
書斎の窓の外は、相変わらず雨は止んでおらず土砂降りの雨音が響いていた。

それから15分後。
サマカンドラは軽く伸びをし、残りの書類を確認。
今日中に片付けるべき書類で残っているのは、5分の1くらいでそこまで苦ではない。
よしと、サマカンドラは自分に言い聞かせると残りにラストスパートをかける。
ここでアルカトラスは、すでに全てのサインすべき書類へのサインを書き終えて別の書類のサインに移っていた。

「よし、終わった」

サマカンドラは自分が片付けるべき書類を全て片付け終え、アルカトラスがサインした書類にサインし忘れなどがないかのチェックを始める。
そこまで深く見る必要はなく、パラパラとめくったりして記入し忘れを見つけたらアルカトラスに渡せばいい。
中には、王国の機密に関わる書類もあるのでサマカンドラはそういうのは注視しないように心がける。

「サインし忘れはなし、全部OKっと」

そうサマカンドラが呟いた直後、側近とサフィが同時に入って来て

「昼食よ」

「終わりました?」

と重ならないように一間置いて交互に言う。
アルカトラスは時間を見ていなかったらしく、昼食と聞いてもうそんな時間かと言い、サマカンドラは側近に終った書類を全て渡して

「今日中に片付けるべきノルマは終わったわ」

と進捗を報告して立ち上がって大広間へ向かう。
3人が出たのを確認し、サフィは書斎の扉を閉める。
そして誰も居なくなった書斎には、気付けば雨は上がっていて正午前後の日差しが窓から射し込んでいた。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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