氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

スノーヴァ=リヴァルス


性別:?
種族:氷のカーバンクル
年齢:?
身長:マティルーネと同じくらい
性格:新雪のようにふわっと、時に氷柱のごとく冷たく鋭く
エインセルスの相棒ともいえる氷のカーバンクル。いつ頃から相棒になったのかは不明。
よく肩に乗ったり頭に乗ったりしている姿が見受けられる。
氷の魔法の実力はそれなりのもの。

スポンサーサイト

テーマ:キャラクター設定/紹介 - ジャンル:小説・文学

創作関係全般 |

巻き戻すが故の手段

午前6時過ぎ、日が昇り始めたこの時間に珍しくゴルダは目覚めた。
この後いつものようにミリシェンスの用意した朝食を食べ、依頼のために出かけるはず。
だったのだが、今日だけはそれが大きく狂うことになるとはゴルダはまだ知らない。

「今日も朝から?」

ミリシェンスの問いに対し、ゴルダは淹れたてのコーヒーを片手に軽く頷いて肯定する。
台所ではへフィアが洗い物をし、テーブルの上ではマティルーネがニンジンを食べ、床では先に朝食を終えたレルヴィンがゴルダが朝食を終えるのを待っていつ。
いつもとなんら変わり映えのしない、いつもの朝の日常がそこにはあった。

やがてゴルダは朝食もそこそこに、しばしの休憩をはさんで戸棚から持病の竜滅病の薬を出し、それを飲む。
完全に治す薬は未だ研究中ではあるものの、症状を抑えたり進行を遅らせる薬は存在するため、抑え込むというのが竜滅病の現在の治療法である。

「じゃあ行ってくる」

「行ってらっしゃい」

ミリシェンスに見送られ、ゴルダはマティルーネを連れずに単独で出かけて行った。

場所は変わってセイグリッド。
特に依頼があるわけではないが、なぜかシアに1人で来てと言われたのでこうして来ているのだ。

「どうせろくなことじゃ…っ」

城の方へ向かって歩き出そうとした瞬間、ゴルダは唐突な違和感と共に左足の自由が利かなくなり、転倒した。
幸い、かすり傷すら負わなかったものの、ゴルダはこの症状に一つの答えを見出す。
それは他でもない竜滅病。
だが、ゴルダは薬を服用しているにも関わらずなぜこのような症状が?
その答えは、竜滅病のウイルスそのものが現在ゴルダが服用している薬に対して耐性を持ったからである。

「恐れていたことになるとはな」

自由の利かない体に喝を入れ、立ち上がろうとした瞬間、ゴルダの意識はそこで途絶えた。

「…さて、ここはどこだ?」

次にゴルダが目を覚ました時に視界に入ったのは、病院と思わしき天井。
どうにか体を起こして一通り見回すと、ここは個室タイプの病室のようだ。
そして自分の寝ているベッドの横に視線を移すと、人の姿のシアがうつらうつらとしているのが目に入る。

「良かった、起きたのね。道のど真ん中で倒れていて、ここに搬送されたって聞いて駆けつけてきたのよ」

まるで母親が息子を心配するかのような視線を投げかけながら、シアはゴルダにそう言う。
ゴルダは、シアが自分が倒れたことについて他に何か知っているのでは?と思い、こう問いかける。

「何か知っているんじゃないのか?俺が倒れた原因について」

それを聞いたシアは、ゆっくりと頷くと誰も外で聞き耳を立てていないことを確認し、病室の扉に鍵をかけてからゴルダの側へ戻ると

「実はあなたの竜滅病のウイルスが現存する薬全てに耐性を持つ種に変異する予兆があったのよ。もう何年も前からね」

ゴルダの持病である竜滅病のウイルスが、今ある薬全てに耐性を持つ種へと変異する予兆が何年も前からあったと話し始めた。
それはゴルダも医者としてあり得ないことではないと自負していたが、まさか現実になるとは思っていなかったらしく

「そうか、続けてくれ」

一旦相槌をうってシアに続けるように言う。
そしてシアはさらに話を続ける。

「ルライエッタも新薬の開発を急いでいた矢先にこうなってしまうとはね。こうなるともう薬ではどうにもならないわ」

現状、薬でどうにもならない。
それを聞かされたゴルダは、自分が今後どうなるのかを想像してこう呟く。

「ならば、不死能力を消してもらって遅かれ早かれくたばる以外にないかもしれないな」

それを聞いたシアは、めったに見せない怒りを燃やす目線をゴルダに投げかけると

「それは絶対に許さないわ。あの日私と約束したでしょ?『ロドルフォ分まで生き抜く』と、だからあなたは自らくたばらせない。私がどうにかする。もし今度そんなことを口にしたら、殴るわ。本気で」

そんな考えをするなと強く言い放った。
そのシアの一言で、ゴルダはそれっきり何も言わなくなり、シアから目線を逸らして置かれていた自分のカルテに目を通し始める。

「それで、方法とは?」

カルテに目を通しつつ、ゴルダはシアにどんな方法なんだと聞く。
シアはそれに一言だけこう答える。

「竜滅病ウイルスの定義の巻き戻し、それでどうにかする他ないわ」

定義を巻き戻す。
簡単そうに見えるが、下手をすれば定義を書き換えるよりも難しいと言われているこの行為を、シアはやろうとしているのだ。

「それで本当に以前の生活に戻れるならば、試す価値はあるだろうな」

試す価値ありというゴルダの返事に、シアは少し困ったような顔をして

「ただ、巻き戻す際の方法がねぇ」

とだけ言う。
ゴルダがその方法は?と目線で問いかけると、シアは深いため息をついてから

「数日私から絶対に離れないようにしてもらわないとダメなのよ」

などと耳元で囁く。
それを聞いたゴルダは、シアがどういった方法をとらんとしているかを理解して

「それしか方法がないというのなら、俺は甘んじて受け入れよう。ただ今すぐは無理だ。覚悟が出来ていない」

覚悟が出来ていないので今すぐは無理だと返すが、シアはそんなゴルダを抱きしめながら

「定義が変わってしまった以上、時間がないわ。次はどんな定義の変化をするかがわからないもの、今すぐにでも決断しないと」

時間がないので今すぐにでも実行しなければならないと決断を促す。
だが、シアが何をせんとするかを理解している以上ゴルダはすぐには首を縦には振れないでいた。

「決断できないというのなら、強引にでもよ」

そうシアは静かに呟くと、何かを無声詠唱する。
するとどうだろうか、精神攻撃耐性が異常に高いと言われているゴルダがスッと気を失う。
それほどまでにシアの使った精神系攻撃の魔法が強力だったのだろう。

「あなたの決断を待っている時間はもうないのよ」

シアは目元に影を落としながらそう呟き、ゴルダを連れて病院を後にした。

それからどれだけの時間が経ったのだろうか。
ゴルダは己の体が浮かんでいるような感覚を覚えて目を開ける。
だが、目を開けても何も見えないのでここがどこなのかすら分からないままであった。

「浮かんでいるような感覚以外何も感じられないが、これも全てシアの仕業か?」

そんなことを考えていると、ゴルダを急に眠気が襲う。
普段は半覚醒睡眠という寝方でしか寝ないのだが、シアはそれすら許してくれないようだ。

「寝ろというのならば寝るか」

最終的には眠気に勝てなくなり、ゴルダはまどろみへと沈むのだった。

次にゴルダが目を覚ました時は、シアにもふもふされる状態で寝ていた。

「もう大丈夫よ、あなたの竜滅病の定義は無事に巻き戻ったから。でも油断はできないわ、ルライエッタには引き続き新薬の研究を続けてもらうし、あなたもちゃんとそれに協力してあげなさい」

そのシアの言葉に、ゴルダはただただ頷いて肯定するのであった。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

小説(一次) |
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。