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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

終わらない種蒔き

程よく晴れた昼下がりのリフィル城の庭園の片隅にある畑。
そこでイファルシアは歯ぎしりをしながら目の前に広がるほじくり返された畑を見ていた。
一体何がどういうことなのか。
それは、イファルシアが蒔いた各種作物の種が鳩ほどの大きさしかない草食の飛竜たちによってほじくり返されて食べられていたのだ。

「むぅ、今回で10回目よ」

殻を取手いないクルミを牙で噛み砕いて食べながら、イファルシアは腹立った口調で言う。
一度はカカシの設置も試したが、飛竜たちはお構いなしにカカシを壊して種をほじくり返して食べて行った。
一応エゼラルドにも相談し、少し見張ってるように頼んだのだがやはりエゼラルドの隙をついてほじくり返しされてしまった。

「他に手段はないのかしら」

3つ目のクルミを噛み砕きながら、イファルシアは残った種を確認しながら言う。
種はもうあと1回蒔けるかどうかの量しか残っておらず、これでまた食べられてしまったら錬成なりするしかない。
苦虫でも噛んだかのような顔をしながら考えていたイファルシアは、ふとここでフィルスに相談するという案が浮かんだのでフィルスの所へ。

「フィルス、私の畑を荒らす飛竜をどうにかしたいんだけど?」

丁度アルガティアが席を外していて、代わりに書斎で書類の処理をしていたフィルスは、イファルシアにそんなことを言われて顔を上げる。
顔を上げるや、どうなのよとイファルシアの顔が目と鼻の先まで接近していたので、ややびっくりしながらフィルスは

「あの飛竜たちでしょ?無理無理、今が繁殖期だし」

遠回しに、自然の沙汰だから仕方ないとイファルシアに言う。
当然、イファルシアは食い下がって

「そんなの関係ないわ、方法はないの?」

と今度はゼロ距離まで顔を近付けながら問う。
フィルスはぐぬぬという顔をすると

「ないわけじゃない、でもアルガティアには使ってはいけないし教えるな言われてるものだからダメ」

ないわけではないが、アルガティアから教えてはならないと釘を刺されているのでダメだと言う。
それを聞いたイファルシアは、ならもういいわと書斎を出た。

そして、また畑に戻って最後の種で種蒔きをし終えたイファルシアは、  どこからか手裏剣を大量に出して襲来に備える。

「最終的に物を言うのは力、ならば実力行使あるのみ」

イファルシアは、手裏剣を投擲して例の飛竜を追い払おうと考えたのであった。
待つこと20分、種蒔きを察したのか例の飛竜たちが十数の群れなして飛んで来る。
手裏剣を投擲するのにはオーバーな構えを取り、イファルシアはその時を待つ。

その10秒後。

「イヤーッ!」

謎のシャウトと共に、ものすごい速さでイファルシアは宙へ向けて手裏剣を連続投擲。
雨がごとく向かって来る手裏剣を、飛竜たちは右へ左へ飛んで避ける。
イファルシアは、無表情に手裏剣を投擲し続けて1匹たりとも畑には近付けさせていない。
やがて、飛竜たちはダメだこりゃと思ったのか逃げるように飛び去って行った。

「見なさい、これが力の差という奴よ!」

飛び去って行った飛竜たちに、イファルシアはあかんべーをし、またやって来ないように今度はネットで畑を覆って対策を施す。
だがしかし、それ以上例の飛竜たちが襲来することはなく、結局ネットで畑を覆ったのは骨折り損だったとか。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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